カレントテラピー31-1 サンプル

カレントテラピー31-1 サンプル page 12/28

電子ブックを開く

このページは カレントテラピー31-1 サンプル の電子ブックに掲載されている12ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
表1甲状腺中毒症をきたす主な疾患バセドウ病妊娠性一過性甲状腺機能亢進症絨毛性腫瘍機能性結節性甲状腺腫非自己免疫性甲状腺機能亢進症下垂体TSH産生腺腫下垂体型甲状腺ホルモン不応症亜急性甲状腺炎急性甲状腺炎無....

表1甲状腺中毒症をきたす主な疾患バセドウ病妊娠性一過性甲状腺機能亢進症絨毛性腫瘍機能性結節性甲状腺腫非自己免疫性甲状腺機能亢進症下垂体TSH産生腺腫下垂体型甲状腺ホルモン不応症亜急性甲状腺炎急性甲状腺炎無痛性甲状腺炎医原性甲状腺中毒症・ヨード摂取過多甲状腺機能fT3,fT4高値,TSH低値fT3,fT4高値,TSH正常-高値fT3,fT4高値,TSH低値甲状腺腫大びまん性時にあり結節状時にあり不定時にあり不定中毒症の持続期間3カ月以上妊娠初期不定3カ月以内不定TRAb陽性陰性まれに陽性陰性甲状腺血流(超音波)増加結節部に増加増加低下12 3I摂取率高値適応なし高値結節部に増加高値低値尿中総ヨード量減少増加不定血液検査血中hCG高値TSH受容体TSHαTRβ受容体CRP高値WBC・CRP高値TPO,Tg抗体陽性遺伝子変異サブユニット遺伝子変異血中Tg高値血中Tg低値他の特徴眼球突出妊娠悪阻に下垂体MRI発熱・圧痛ありよく合併にて腫瘍ウイルス感染細菌感染ALP値正常a)臨床所見1.頻脈,体重減少,手指振戦,発汗増加等の甲状腺中毒症所見2.びまん性甲状腺腫大3.眼球突出または特有の眼症状b)検査所見1.遊離T4,遊離T3のいずれか一方または両方高値2.TSH低値(0.1μU/mL以下)3.抗TSH受容体抗体(TRAb,TBII)陽性,または刺激抗体(TSAb)陽性4.放射線ヨード(またはテクネシウム)甲状腺摂取率高値,シンチグラフィでびまん性取り込み1)バセドウ病a)の1つ以上に加えて,b)の4つを有するもの2)確からしいバセドウ病a)の1つ以上に加えて,b)の1,2,3を有するもの3)バセドウ病の疑いa)の1つ以上に加えて,b)の1と2を有し,遊離T4,遊離T3高値が3ヶ月以上続くもの【付記】1.コレステロール低値,アルカリフォスファターゼ高値を示すことが多い.2.遊離T4正常で遊離T3のみが高値の場合がまれにある.3.眼症状がありTRAbまたはTSAb陽性であるが,遊離T4およびTSHが正常の例はeuthyroidGraves’diseaseまたはeuthyroid ophthalmopathyといわれる.4.高齢者の場合,臨床症状が乏しく,甲状腺腫が明らかでないことが多いので注意をする.5.小児では学力低下,身長促進,落ち着きの無さ等を認める.6.遊離T3(pg/mL)/遊離T4(ng/dL)比は無痛性甲状腺炎の除外に参考となる.7.甲状腺血流測定が無痛性甲状腺炎との鑑別に有用である.表2バセドウ病の診断ガイドライン〔日本甲状腺学会甲状腺疾患診断ガイドライン2010より抜粋〕4),5)?甲状腺眼症バセドウ病の約半数に発症する眼病変である.眼痛や複視などの自覚症状と眼球突出・眼球運動障害・外眼筋肥厚・眼窩脂肪組織増生などにより診断される.詳細は他稿に譲る.?甲状腺中毒性ミオパチー甲状腺機能亢進症に伴い,筋肉のひきつれ,筋力低下がみられることがあるが,血中CK濃度は正常である.?EMO症候群バセドウ病の際,眼球突出(exophthalmos),前頸骨粘液水腫(pretibial myxedema)および肥大性骨関節症(hypertrophic osetoarthropathy)の3徴候の合併をEMO症候群とよぶ.6)?甲状腺中毒性周期性四肢麻痺甲状腺中毒症の際に誘発される筋麻痺であり,筋麻痺と細胞内へのカリウム(K)のシフトによる低K血症が特徴である.バセドウ病に伴うことがほとんどである.バセドウ病と異なり男性に多い疾患で男女比は17~70:1である.従来はアジア人に多いとされてきたが,近年では西洋人での報告も増加している.36Current Therapy 2013 Vol.31 No.136