カレントテラピー 29-11サンプル

カレントテラピー 29-11サンプル page 5/32

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特集肺癌―パラダイムシフトを迎えた肺癌治療肺癌の診断と治療の最前線EBUSがもたらす肺癌診断の進歩*井上健男1*・栗本典昭2*3・宮澤輝臣abstract気管支腔内超音波断層法(endobronchial ultrasonography:EBUS)....

特集肺癌―パラダイムシフトを迎えた肺癌治療肺癌の診断と治療の最前線EBUSがもたらす肺癌診断の進歩*井上健男1*・栗本典昭2*3・宮澤輝臣abstract気管支腔内超音波断層法(endobronchial ultrasonography:EBUS)は超音波プローブを気管支内腔に挿入し,気管支壁および壁外の病変をリアルタイムに描出することができる新しい診断法である.超音波プローブには気管支鏡の先端に超音波プローブを備えたconvex型超音波気管支鏡とradial型の2種類があり,気管支壁深達度診断,肺末梢病変の位置の同定,質的診断(良悪性診断),リンパ節などの気管支周囲臓器の描出,経気管支吸引針生検時のガイドなどに用いられている.現在,いずれの検査法も多くの施設でその有用性について多数報告されており,今後ますます気管支鏡検査において欠くことのできない重要な検査法になるものと思われる.Ⅰはじめに呼吸器内視鏡分野は軟性気管支鏡の開発から始まり,着実な進歩を遂げているが,特に近年その発展は著しいものがある.これまでの気管支鏡観察は気管支上皮・上皮下層を白色光で観察するものであり気管支軟骨より外側の構造を直接観察することはできなかった.ところが,1990年にHurterら1)がはじめて報告した気管支腔内超音波断層法(endobronchialultrasonography:EBUS)は超音波プローブを気管支腔内に挿入し,気管支壁や壁外を描出することによりリアルタイムに対象病変を観察,評価することが可能になった.その後,この分野は目覚しい発展を遂げ,現在,本法の適応は1気管,気管支2腫瘍の深達度診断),2腫瘍の肺動静脈への浸潤診断,気管気管支周囲のリンパ節描出,転移診断,3気管支周囲病変に対する経気管支針生検(transbronchialneedle aspiration:TBNA)施行時のガイド3),4肺末梢病変の位置診断,質的診断(良悪性診断)4),5再発性多発軟骨炎などの気道壁病変の画像評価などにも用いられるようになった5).本稿では,EBUSの基礎知識とその適応・手技について概説する.Ⅱ使用機器EBUS -TBNAを行うための気管支鏡はconvex型超音波気管支鏡(BF -UC260F -OL8,Olympus,図1)であり,先端の外径は6.9mm,軟性部の外径は6.2mm,また先端には7.5MHzのconvex型超音波プローブが搭載されている.Radial型の超音波プローブはBモードで,プローブ挿入方向に対して360度全周観察可能である.プローブの先端にバルーンを装着後,気管から亜区域気管支までの気管支壁および壁外の病変を描出するもの(UM -BS20 -26R,Olympus)と,亜区域気管支より末梢の気管支にバルーンシースなしで挿入するUM -3R(外径2.5mm,Olympus),UM -BS20-20R(外径1.7mm,Olympus),UM -BS20-17S(外*1聖マリアンナ医科大学呼吸器・感染症内科講師*2聖マリアンナ医科大学呼吸器外科病院教授*3聖マリアンナ医科大学呼吸器・感染症内科教授8980