カレントテラピー 29-7 サンプル

カレントテラピー 29-7 サンプル page 22/28

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酸性尿,尿路結石北海道社会事業協会富良野病院診療部長・尿路結石治療センター長山口聡高尿酸血症や痛風を診療するうえで,注意すべき病態のひとつに尿路結石がある.尿路結石のうち,直接的には尿酸結石が関係深いが,....

酸性尿,尿路結石北海道社会事業協会富良野病院診療部長・尿路結石治療センター長山口聡高尿酸血症や痛風を診療するうえで,注意すべき病態のひとつに尿路結石がある.尿路結石のうち,直接的には尿酸結石が関係深いが,最も頻度の高いシュウ酸カルシウム結石の形成にも大きく関与している.高尿酸血症や痛風を伴う患者では,しばしば尿の酸性化が認められ,持続する酸性尿は,尿酸結石形成の最も大きな危険因子と考えられている.健常者では尿pHは24時間で数回の上昇と下降を繰り返している.特に食後は胃酸分泌により,反応性に血中重炭酸イオンが増加し,尿pHは上昇するが,高尿酸血症や痛風患者では,尿pHの日内変動が欠落していることが多い.一方,尿pHは食事内容にも影響され,動物性タンパク質に富む食事は,野菜中心の食事に比し,尿pHが酸性に傾きやすい.また2型糖尿病での尿酸結石発生についての検討では,これらの患者の多くに尿pHの低下が認められ,これにはインスリン抵抗性との関係も示唆されている.尿酸降下薬の選択として尿酸排泄低下型では,ベンズブロマロンなどの尿酸排泄促進薬が使用されることが多い.これらの薬剤により尿中尿酸排泄量が増加し,尿アルカリ化やプリン体摂取制限が不十分であると尿酸結石の形成を促進させる.したがって,尿路結石を合併している症例には,原則として尿酸排泄促進薬は使用すべきではない.尿中尿酸の溶解度は,尿pH 5.0では15mg/dL,尿pH 7.0では200mg/dLであり,pHの上昇に伴い,溶解度が飛躍的に増す.そのため,高尿酸血症や痛風の尿路管理において,尿アルカリ化は必須の事項である.尿アルカリ化薬としてはクエン酸製剤が有効であり,尿酸結石患者においても,その有用性が確認されている.かつては重炭酸ナトリウム(重曹)が使用されたが,ナトリウム過剰負荷が懸念され,臨床的にも尿アルカリ化効果は,クエン酸製剤が優れていた.クエン酸は経口摂取後,速やかに肝臓で代謝され,重炭酸イオンを生成,腎尿細管からの排泄に伴い,尿のアルカリ化効果を発揮すると考えられている.既存の尿酸結石の治療として,体外衝撃波砕石術などの積極的治療が選択できないときには,十分な水分摂取の下,尿アルカリ化薬の内服により,既存の尿酸結石を溶解させることも可能である.その際,アロプリノールが併用されることも多いが,一般に結石の完全溶解には,通常,長期間を要する.尿アルカリ化薬の使用上の留意点として,尿の過度のアルカリ化(尿pH 7.5以上の持続)は,リン酸カルシウム結石の発生を,もしナトリウムなどが尿中に多ければ尿酸塩の析出を促進するため,尿pHは6.0?7.0の維持を目標とする.Current Therapy 2011 Vol.29 No.7 81643