カレントテラピー 30-11 サンプル

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僧房弁狭窄症もしくは機械弁非弁膜症性心房細動CHADS 2スコア心不全高血圧症年齢(75歳以上)糖尿病脳梗塞やTIAの既往1点1点1点1点2点その他のリスク心筋症年齢(65歳~74歳)女性冠動脈疾患甲状腺中毒2点以上1点ワ....

僧房弁狭窄症もしくは機械弁非弁膜症性心房細動CHADS 2スコア心不全高血圧症年齢(75歳以上)糖尿病脳梗塞やTIAの既往1点1点1点1点2点その他のリスク心筋症年齢(65歳~74歳)女性冠動脈疾患甲状腺中毒2点以上1点ワルファリンINR 2.0~3.0推奨ワルファリン70歳未満INR 2.0~3.070歳以上INR 1.6~2.6ダビガトラン推奨ワルファリン70歳未満INR 2.0~3.070歳以上INR 1.6~2.6ダビガトラン考慮可推奨ワルファリン70歳未満INR 2.0~3.0考慮可70歳以上INR 1.6~2.6ダビガトラン図心房細動に対する抗凝固療法(循環器病の診断と治療に関するガイドライン;心房細動における抗血栓療法に関する緊急ステートメント)ファリン,ダビガトラン,リバーロキサバン)を考慮してもよい.2 CHA2DS2-VAScスコア近年,CHADS2スコアで0~1点と評価された低リスク症例において,抗凝固療法の必要性を判断する際,CHADS2スコアをさらに細かく層別化したCHA2DS2 -VAScスコアが有用とのデータが示され4),欧州心臓病学会(ESC)ガイドラインに導入された(表1).CHADS2スコアのリスク因子のひとつである年齢(75歳以上)の重みづけを1点から2点に増やすとともに,新たな3つのリスク因子〔血管疾患(心筋梗塞既往・末梢動脈疾患・大動脈プラーク),年齢65~74歳,女性が各1点〕を加え,0~9点で評価する.脳梗塞の発症率は,スコアの上昇に伴って増大する成績が報告されている.CHA2DS2-VAScスコアの2点以上では,抗凝固療法が推奨される.1点の症例では,抗凝固療法(ワルファリン,ダビガトラン,リバーロキサバン)を考慮してもよい.0点の症例では,脳梗塞の発症率がきわめて低いので抗凝固療法を行わない,または副作用として頭蓋内出血の発症率の低いダビガトランやリバーロキサバンによる抗凝固療法を考慮してもよい.CHADS2スコアで1点以下と評価された症例の一部が,CHA2DS2 -VAScスコアの2点以上に相当し,抗凝固療法の適応になる.3抗血小板薬について非弁膜症性心房細動における抗血小板薬の脳梗塞予防効果については,それを否定する報告がある.本邦で行われたJapan Atrial Fibrillation StrokeTrial(JAST研究)は,アスピリンを心房細動の症例に投与しても脳梗塞予防効果はなく,重篤な出血性合併症を増やす結果になることを示した5).また海外で行われたActive W研究では,非弁膜症性心房細動症例にアスピリンとクロピドグレルを併用投与しても,ワルファリンの脳梗塞予防効果に及ばないことが示された6).非弁膜症性心房細動症例における脳梗塞予防目的としては,抗血小板薬は第一選択として投与すべきではない.日本循環器学会のガイドラインにおいても,抗血小板薬は推奨されていない(図).Ⅲワルファリンの問題点と新規経口抗凝固薬の特性1ワルファリンの問題点と新規経口抗凝固薬の開発ワルファリンは,第Ⅱ,Ⅶ,Ⅸ,Ⅹ凝固因子の産86Current Therapy 2012 Vol.30 No.111186