カレントテラピー 30-11 サンプル

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ワルファリン新規経口抗凝固薬(抗トロンビン薬,抗Ⅹa薬)モニタリング必須,可能不要,方法が確立していない食物による影響ビタミンK含有食品(納豆,青汁,クロレラ)なし薬物による影響多い少ない吸収時間長い短....

ワルファリン新規経口抗凝固薬(抗トロンビン薬,抗Ⅹa薬)モニタリング必須,可能不要,方法が確立していない食物による影響ビタミンK含有食品(納豆,青汁,クロレラ)なし薬物による影響多い少ない吸収時間長い短い(1~2時間程度)半減期長い(約40時間)比較的短い(9~15時間)飲み忘れに強い弱いレジスタンス報告あり報告なし薬価安価高価表3ワルファリンと新規経口抗凝固薬の比較ダビガトランリバーロキサバンアピキサバン150mg1日2回110mg1日2回20mg1日1回5mg1日2回主要評価項目脳卒中+全身塞栓症(非劣性)○○○○脳卒中+全身塞栓症(優越性)○○虚血性脳卒中の抑制○死亡の抑制○二次評価項目大出血の抑制(非劣性)○○○○大出血の抑制(優越性)○○大出血/臨床関連出血の抑制○○○消化管出血の増加△△出血性脳卒中の抑制○○○○頭蓋内出血の抑制○○○○表4新規経口抗凝固薬のワルファリンとの比較(第Ⅲ相試験から)ワルファリンとの比較で有意差(p<0.05)が示された項目.○はワルファリンより優れる項目,△はワルファリンに劣る項目.〔参考文献7)~9)より引用改変〕ルファリンと同等かそれ以上であり,大出血発現率はワルファリンと同等かそれ以下であることが示されている.非弁膜症性心房細動を対象に,脳梗塞の予防効果をワルファリンと比較した新規経口抗凝固薬の研究(RE-LY,ROCKET AF,ARISTOTLE,ENGAGE AF)のうち,すでに結果が開示されている前3研究の結果を表4に示す7)~9).これらの研究における主要エンドポイントは「脳卒中と全身塞栓症」であるが,新規経口抗凝固薬はいずれもワルファリンと比較して非劣性が証明されている.ダビガトラン150mg 1日2回内服群とアピキサバン群では有意性も証明されている.二次評価項目である大出血発現率は,新規経口抗凝固薬ではいずれもワルファリンと比較して非劣性が証明されている.またダビガトラン110mg 1日2回群とアピキサバン群では,優位性も証明された.新規経口抗凝固薬は,ワルファリンと比較して頭蓋内出血が大幅に減少することも示されている.抗凝固療法中の頭蓋内出血の転帰はきわめて不良であることから,この点は大きな意味をもつと考える.3新規経口抗凝固薬の問題点新規経口抗凝固薬はワルファリンと比較して前述したような利点を有するが,問題となる特性も存在する(表3).新規経口抗凝固薬ではモニタリングは不要だが,モニタリングしようと思う場合にその指標は確立されていない.安全性(出血リスク)の指標についてはまだ確立されていないが,ダビガトランは活性化部分トロンボプラスチン時間(activatedpartial thromboplastin time:APTT)が,リバーロキサバンではプロトロンビン時間が指標になる可能性が示されている.ダビガトランでは,APTTがトラフで80秒を超えると出血性合併症のリスクが高まることが指摘されている.新規経口抗凝固薬は半減期が短いため,内服忘れ88Current Therapy 2012 Vol.30 No.111188