カレントテラピー 30-5 サンプル

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外科治療Log relative hazard3210―1―20 20 40 60 80Number of lymph nodes examined図3根治度A stageⅡ結腸癌,リンパ節郭清・検索個数の対数ハザード曲線点線は95%信頼区間を示す.〔参考文献22)より引用改変〕....

外科治療Log relative hazard3210―1―20 20 40 60 80Number of lymph nodes examined図3根治度A stageⅡ結腸癌,リンパ節郭清・検索個数の対数ハザード曲線点線は95%信頼区間を示す.〔参考文献22)より引用改変〕Westら24)は層に沿って結腸間膜を十分に切除する全結腸間膜切除(complete mesocolic excision:CME)を行うことで結腸癌症例の予後が改善する可能性を報告している.また,HohenbergerらはCMEと中枢側高位結紮(central vascular ligation:CVL)が局所再発だけでなく予後にも好影響を与えることを報告している25).彼らの唱えるCME&CVLは日本のD3郭清とほぼ同義語であり,欧米人によって再定義されたことで郭清レベルへの関心がより高まることが予想される.直腸間膜を直視下に鋭的に切除する全直腸間膜切除術(totalmesorectal excision:TME)26)の概念が提唱されて治療成績が向上したような進歩が,今後は結腸癌でも示される可能性がある.ノルウェーでは,右側結腸癌に対するD2 vs. D3の比較試験が計画中である(ClinicalTrials.gov:NCT01351714).Ⅵ腹腔鏡下手術日本における大腸癌に対する腹腔鏡下手術は,1992年に早期大腸癌に対して初めて施行され,2002年には進行癌にも保険適用が拡大されたことで,2007年には大腸癌に対する腹腔鏡下手術の6割以上が進行癌を対象に行われるようになった27).治療成績に関しては欧米からの複数の大規模RCT(COST28試験)29,COLOR試験)30,CLASICC試験),Barcelona試験)31)により,進行癌においても腹腔鏡下手術と開腹手術の間で生存率・再発率に概ね差がなかったことが報告されており,このような結果が日本における本術式の急速な普及を後押ししているこ29とも考えられる.CLASICC試験)が英国の27施設,32人の外科医で行われ,794例の大腸癌が登録され,腹腔鏡下手術:開腹手術を2:1の割合で無作為に振り分けた.このうち,英国の臨床病理医であるPhilipQuirkeが162例の切除標本を無作為に抽出し,前述のCMEとCVLの程度を彼ら独自のスケールで分析したところ,日本でいうD0~D1手術が対象例の実に75%を占め,D2が25%,D3に至っては皆無であったとしている(personal communication,2011年7月).このように前提条件が異なる海外の結果を,そのまま日本の臨床に外挿することはできない.腹腔鏡下手術と開腹手術の根治性に関するRCTがJCOG0404で行われ,1,057例の集積を終えて,2014年に最終解析が予定されている.このような質の高い試験によって日本独自の短期+長期成績の結果が出るまでは,国内において腹腔鏡下手術を標準治療とするエビデンスはないのが現状である.それまでは『大腸癌治療ガイドライン2010年版』のCQ3に記載されているように,cStageⅡ~cStageⅢに対しては習熟度を十分に考慮して適応を決定すべきである10).Ⅶ切除不能な遠隔転移例における原発巣切除『大腸癌治療ガイドライン2010年版』によれば,遠隔転移巣の切除は不可能であるが原発巣切除が可能な場合,症状がない場合の原発巣切除についてはさまざまな考え方があるとして一定の標準治療を示していない10).さらに奏効割合の高い新規化学療法レジメンが汎用されるようになった現時点でのstageⅣ大腸癌に対する外科治療の位置づけを導くことは難しい.しかし,Stillwellらが行った8つのCurrent Therapy 2012 Vol.30 No.540935