カレントテラピー 30-6サンプル

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概要:
リラグルチドなどのGLP -1アナログ製剤が開発された.エキセナチドはN端から2番目のアミノ酸がグリシンであるためDPPⅣに抵抗を示すGLP -1受容体作動薬であり,GLP-1とは50%の相同性をもっている.リラグルチドは,....

リラグルチドなどのGLP -1アナログ製剤が開発された.エキセナチドはN端から2番目のアミノ酸がグリシンであるためDPPⅣに抵抗を示すGLP -1受容体作動薬であり,GLP-1とは50%の相同性をもっている.リラグルチドは,脂肪酸を付加させることで皮下組織や血中でアルブミンと結合し,血中半減期がおよそ12時間と長くなっている.エキセナチドは,最初のGLP-1受容体作動薬として2005年4月に米国食品医薬品局(US Food andDrug Administration:FDA)に承認された.ペン型の注射薬であり,5~10μgを1日に2回,皮下注射するタイプの薬である.わが国でも2010年12月より発売されており,スルホニル尿素薬(SU薬)で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者に適応がある.エキセナチドは,2型糖尿病患者においてHbA1cをおよそ1%低下させ,用量依存性に体重減少をもたらすとされる.2005年にKendallらは,メトホルミンとSU薬をすでに内服している,HbA1c8.5%程度でBMI 33程度の2型糖尿病患者をプラセボ群,エキセナチド5μg投与群,エキセナチド10μg投与群に割り付け30週観察した研究を報告しており,結果として,プラセボ群に比べて有意なHbA1cの低下とともに有意な体重減少(5μg群,10μg群ともにベースラインから-1.6kg±0.2kgの体重減少)が認められた4).同様のわが国におけるエキセナチドの効果についての報告に関して,エキセナチドの国内第三相試験がある5).この試験は,HbA1c 8.1~8.3%の,すでにSU薬を使用しているBMI 25程度の糖尿病患者をプラセボ群,エキセナチド5μg投与群,エキセナチド10μg投与群に割り付け24週間観察した研究である.この試験の結果においても,エキセナチド投与を行うと有意にHbA1cの低下が認められ,エキセナチド10μg投与群では,プラセボ群に比較して有意に体重減少(ベースライン-1.54±0.27kg)が認められた.本試験では,エキセナチド5μg投与群では有意な体重減少は認められなかったが,前述の欧米人を対象とした試験で,エキセナチド5μg投与群でも有意な体重減少を認めたことより,ベースラインのBMIがひとつのポイントと考えられている.この研究の副作用として,嘔気,嘔吐が認められているが,体重減少は,こういった副作用がなかった患者にも認められている.海外においては,エキセナチドの非糖尿病肥満者に対する体重減少効果をみている研究もあり,短期間で生活習慣への介入なしに体重減少効果が認められたとの報告もある6).リラグルチドは,2009年7月欧州医薬品庁(EuropeanMedicines Agency:EMEA)に承認された,1日1回の皮下注射が必要なGLP -1受容体作動薬である.わが国でも2010年6月より発売されており,2型糖尿病患者に最大用量1日1回0.9mg投与できる.リラグルチドの海外における効果を示した一連の試験にLiraglutide Effect and Action in Diabetes(LEAD)試験があるが,このうちLEAD -3試験では,リラグルチドの単独使用における効果を示している7).この試験は,HbA1c 8.3%,BMI 33の2型糖尿病患者をリラグルチド1.2mg群,リラグルチド1.8mg群,グリメピリド8mg群に割り付け52週間観察した研究である.結果として,リラグルチド投与群は両群ともグリメピリド投与群に比べて有意にHbA1cの低下をもたらし,同時に,グリメピリド投与群に比べて,リラグルチド1.2mg群,1.8mg群ともにグリメピリド投与群に比べて有意な体重減少をもたらした.日本におけるリラグルチドの国内第三相試験においてもリラグルチド単独での効果をみている8).この試験では,BMI 24.5の日本人2型糖尿病患者をリラグルチド最大0.9mg投与群とグリベンクラミド最大2.5mg/日投与群に割り付け,24週間観察した試験である.この試験においても,リラグルチド投与群においてグリベンクラミド投与群と比べ,有意なHbA1cの低下と体重減少が認められた.海外においてリラグルチドの抗肥満効果を示したものに,2009年にAstrupらが報告した研究がある9).この試験では,BMI 35程度の非糖尿病肥満患者をリラグルチド1.2mg投与群,1.8mg投与群,2.4mg投与群,3.0mg投与群,米国ではすでに臨床で使用されている抗肥満薬のOrlistat投与群,プラセボ群に割り付け,体重変化を観察している.無作為化から20週目において,リラグルチド全投与群においてプラセボ群よりも有意に体重減少を認めており,用量80Current Therapy 2012 Vol.30 No.6562