カレントテラピー 31-2サンプル

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心臓心拍数腎臓細動脈レニン分泌AngⅡNa再吸収血管収縮血漿AngⅡ血清Na濃度血清Na濃度↑遠心性心臓交感神経局所AngⅡ↑遠心性腎交感神経終末板脳弓下器官↑交感神経中枢(RVLM)↑求心性腎神経↑室傍核脊髄図1中枢お....

心臓心拍数腎臓細動脈レニン分泌AngⅡNa再吸収血管収縮血漿AngⅡ血清Na濃度血清Na濃度↑遠心性心臓交感神経局所AngⅡ↑遠心性腎交感神経終末板脳弓下器官↑交感神経中枢(RVLM)↑求心性腎神経↑室傍核脊髄図1中枢および末梢の交感神経系が亢進したときに血圧が上昇する仕組み高Na血症および血漿AngⅡ濃度の上昇という情報を中枢神経内の脳弓下器官が感知し,視床下部の室傍核の神経細胞を興奮させる.これにより,延髄のRVLMの神経細胞(ニューロン)の電気活動が亢進し,それぞれの臓器に対応する高さの脊髄の中間外側核が興奮する.それにより心臓,細動脈,腎臓などを支配する遠心性交感神経活動が亢進し,血圧が上昇する.心拍数は増加する.RVLM:延髄腹外側の吻側領域にある交感神経中枢,AngⅡ:アンジオテンシンⅡ〔筆者作成〕収縮させ,腎血流量を減少させて全身の循環血漿量を増加させる.腎交感神経は輸出細動脈も収縮させ,糸球体血管の内圧を亢進させるので,タンパク尿や腎機能障害の機序の一部に関与している.3)β1受容体を介してレニンを分泌し,この酵素は全身でアンジオテンシンⅡ(AngⅡ)を産生する.AngⅡによる血管収縮により血圧は上昇する.AngⅡは副腎皮質に作用してアルドステロンを産生する.アルドステロンは腎の遠位尿細管に作用して,尿から血管内へNaを再吸収し,血液から尿へカリウム(K)を排泄させる.それゆえ有効循環血漿量が増加して血圧は上昇する.AngⅡは細動脈を収縮させるほか,交感神経中枢RVLMに作用して交感神経活動を亢進させる.すなわちレニン-アンジオテンシン系(RAS)と交感神経系は互いに亢進させ合い,悪循環を形成する6)~8).Ⅱ食塩感受性タイプの本態性高血圧正常のヒトでは食塩を多く摂取して有効循環血漿量が増加すると,心室壁にある低圧系の圧受容器反射により,全身の交感神経活動は抑制される.これにより,腎近位尿細管でのNa再吸収が低下し尿へのNa排泄が増えて,Naバランスが保たれるはずである.しかし,食塩感受性の高い本態性高血圧患者や,原発性アルドステロン症など食塩感受性の高い患者では,不思議なことに食塩摂取が交感神経活動を亢進させる.以下にその機序について述べる.血液-脳関門があるので,中枢神経系の一般の神経核や器官は,血清Na濃度や血漿AngⅡ濃度の上昇を感知できない.一方,血液-脳関門がないので,視床下部の第3脳室の前下方(吻側腹側)にある終末板は血清Na濃度・血漿浸透圧の上昇を感知できる(図1).また,その上方にある脳弓下器官も血液-脳関門の外側にあるので,血清Na濃度および血漿AngⅡ濃度の上昇という2つの重要な情報を直接感知して,全身の交感神経活動を亢進させる.すなわち,これらは液性情報を神経情報に変換する重要な機序である.また終末板の神経細胞と脳弓下器官とはお互いに連結している.血清Na濃度が上昇すると血漿浸透圧が上昇し,終末板および脳弓下器官の神経細胞の電気活動が亢進する.この信号は第3脳室周囲の室傍核に伝えられる.室傍核からの信号は,RVLMニューロンおよ68Current Therapy 2013 Vol.31 No.2180