カレントテラピー 31-2サンプル

カレントテラピー 31-2サンプル page 27/34

電子ブックを開く

このページは カレントテラピー 31-2サンプル の電子ブックに掲載されている27ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
治療抵抗性高血圧―原因と対策のキーポイント血圧変動性東京女子医科大学東医療センター内科教授大塚邦明血圧リズムには多重の時間構造が存在する.3秒や10秒のリズムから12時間,1日,3.5日,7日のリズム,そして30....

治療抵抗性高血圧―原因と対策のキーポイント血圧変動性東京女子医科大学東医療センター内科教授大塚邦明血圧リズムには多重の時間構造が存在する.3秒や10秒のリズムから12時間,1日,3.5日,7日のリズム,そして30日,6カ月,1年,10.5年のリズムなど,幅広いスペクトルのなかに多様なリズムが混在している.それゆえ24時間血圧で計測できる血圧変動性には限界がある.筆者らは7日間連続の24時間血圧を基本として血圧変動性を評価してきた.血圧リズム異常を表す指標として,次の5項目を提唱している.1血圧の平均値が高いこと(対照正常群の95%予測区間以上,MESOR -HT),2血圧変動幅が大きすぎること(対照正常群の95%予測区間以上,amplitude -HT),3脈圧が大きいこと(144時間の平均値で60mmHg以上),4血圧リズムの位相のずれが大きいこと(対照正常群の90%予測区間以上,ecphasia -HT),5心拍変動が小さいこと(7日間連続24時間の記録の脈拍数の1標準偏差が毎分7.5拍未満),である.該当する項目数が多い症例ほど,約5年間の追跡調査で心血管系疾患の発症リスクが高かった.筆者らは,この血圧リズムに異常がみられる疾患群を,血圧リズム異常症(vascular variability disease:VVD)とよび,2つ以上の項目があてはまる場合を血圧リズム異常症候群(vascular variabilitysyndrome:VVS)とよぶことを提唱してきた.なかでも血圧変動幅が大きすぎる場合を,Circadian Hyper-Amplitude Tension(CHAT)と定義し,その治療を降圧の指標としている.それでも6カ月,1年,10.5年単位の血圧変動性を解析することはできない.10年以上の連続24時間血圧記録を観察することが必要になる.例えば,5年間以上連続して24時間血圧記録を行うことができた77歳男性の血圧記録をみてみると,以下のとおりであった.横軸に24時間血圧平均値を,縦軸に24時間の血圧変動幅をとり,5年間の推移をプロットしてみると,24時間血圧の特徴は日ごとに変化していた.24時間収縮期血圧の平均値/24時間の血圧振幅の正常値を,各々130mmHg/35mmHg未満と定義してみると,いずれも正常値を呈した1日は全体のわずか6.5%と少なく,いずれも高血圧を呈した1日は18.2%であった.24時間血圧変動様式は,日ごとに変化していることを示している.長期血圧変動の解析には数年間の連続24時間血圧が必要になるが,すべての症例でそれを実施することは,まず不可能である.それゆえ家庭血圧を正しく長期間連続記録して,その時間構造を解析することが必要になる.近年,visit -to -visit血圧変動が重宝されているが,これは6カ月を単位とする長期変動性の指標である.血圧レベルや24時間血圧の標準偏差などから得られる短期変動性よりも,生命予後の評価に優れるという.そこで筆者らは,まずは7日間連続の24時間血圧と30日間以上の家庭血圧の記録が,高血圧の診断と治療評価に有用であろうと考えている.104 Current Therapy 2013 Vol.31 No.2216