カレントテラピー 31-2サンプル

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治療抵抗性高血圧の原因と治療対策1.000.95ResponderHypertensionEvent-free survival0.900.850.800.750.70False ResistantHypertensionMaskedHypertension0.650.600.55p=0.0001Log-rank testTrue ResistantHyperte....

治療抵抗性高血圧の原因と治療対策1.000.95ResponderHypertensionEvent-free survival0.900.850.800.750.70False ResistantHypertensionMaskedHypertension0.650.600.55p=0.0001Log-rank testTrue ResistantHypertension0 20 40 60 80 100 120 140Follow-up(months)図1治療中高血圧患者の血圧タイプ別の生命予後イタリアの高血圧患者を対象とした追跡研究(n=742,追跡期間;約5年).外来血圧:140/90mmHg,昼間血圧:135/85mmHgを基準に分類.〔参考文献4)より引用改変〕るとし,24時間血圧測定をガイドラインに明記している.ただ,(治療抵抗性高血圧に限らず)白衣効果の心血管リスクに関しては現在意見が分かれており,介入せずに長期間経過観察だけでよいとは断定でき6ない.また,最近のMuxfeldtらの報告)では,白衣効果による偽性治療抵抗性高血圧と診断された198名を対象に,3~6カ月間隔で合計4回にわたり24時間血圧を測定した結果,67%は真の治療抵抗性高血圧に進展した.したがって治療抵抗性高血圧を“偽性”と判断するうえでは十分な配慮が必要であり,その後の経過観察も必要である.2白衣効果(白衣高血圧)のリスク(治療抵抗性高血圧に限らず)一般論として白衣効果(白衣高血圧)の予後に関しては,血圧コントロール群と同等に良好であるという報告と,長期的にみた場合(約8年以降)には脳卒中や心血管イベントが増加してくるという報告があり見解が一致しない7).イタリアの一般住民を対象にしたPAMELA研究では,約12年間の追跡研究において,白衣高血圧は正常血圧群に比べると生存率は有意に低下していた(図2)8).では,白衣効果(白衣高血圧)はなぜリスクになるのであろう.ひとつには,白衣高血圧は診察室外の血圧が正常範囲といえども正常血圧群に比べるとその絶対値は高い.また白衣高血圧は,肥満,糖・脂質代謝異常を伴うケースが多い.興味深いことに,微小神経電図法(microneurography)を使用した最近の研究からは,白衣高血圧患者は正常血圧群に比べると有意に交感神経が活性化していることが明らかにされた9).このように白衣高血圧を独立したひとつの病態としてとらえる一方で,白衣効果は診察室に入ってくる瞬間の一時的な“防御反応”に似た生理的反応であり,その程度は,われわれが普段計算している白衣効果(診察室血圧―診察室外血圧)とは相関しないという報告もある.白衣効果は複雑怪奇な現象であり,病態も異質的なのであろう.現時点では,白衣効果による偽性治療抵抗性高血圧の予後に関してはエビデンスも少なく,また長期間追跡した研究もないため,無害と決めつCurrent Therapy 2013 Vol.31 No.212311