カレントテラピー 31-7 サンプル

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10 Current Therapy 2013 Vol.31 No.7676とも1種類を実施し,陽性の場合に局在診断を行う.本ガイドラインは,①高血圧の日常診療においてPAのスクリーニングを普及する点を重視したこと,②機能確認検査以降のステップが標準化されていない点を考慮して,実施の詳細は各施設,各医師の判断に委ねたこと,が特徴である.Ⅳ 日本内分泌学会ガイドラインガイドラインには,一般診療医向けと専門医療機関向けがある.前者では初診の高血圧患者全例で,後者では高血圧患者全例でのスクリーニングを推奨している.ARR>200でスクリーニングを行い,陽性の場合に機能確認検査を行う.機能確認検査としては日本高血圧学会と同じくカプトプリル試験,フロセミド立位試験,生食負荷試験を推奨しており,二つ以上の検査が陽性の場合にPAと「確定診断」するとしている.次いで,副腎CTを実施するが,その結果にかかわらず手術を検討する場合にはAVSによる局在診断を行い,片側性では副腎切除,両側性では薬物治療を行う(図3)3).本ガイドラインは,①PAのスクリーニング対象を高血圧患者全例としていること,②機能確認検査が二つ以上陽性の場合にPAと確定診断すること,③手術を考慮する場合にはAVSによる局在診断を前提としていること,が特徴である.Ⅴ 診療ガイドラインの課題と今後診療ガイドラインはPA診断の普及と標準化に貢献したと考えられるが,実際にどの程度ガイドラインに準拠した診療が行われているのかは不明で,診断方法の詳細は施設間,地域,国間で差が認められる.その最大の要因は,各診療ステップの詳細にコ対  象高血圧患者スクリーニングARR>200(特にPAC>150pg/mL)(カプトプリル負荷試験)コンサルテーション専門医機能確認検査陽性手術適応・患者の手術希望ありなし局在・病型診断一側性両側性精密検査治  療手術(降圧薬) アルドステロン拮抗薬 他図2日本高血圧学会によるPA診療の手順〔参考文献2)より引用改変〕表1 PA高頻度の高血圧1. 低カリウム血症合併2.中等度・重症高血圧3.治療抵抗性高血圧4.副腎偶発腫瘍合併5.40歳以下で脳・心血管系合併症