カレントテラピー 33-12 サンプル

カレントテラピー 33-12 サンプル page 15/40

電子ブックを開く

このページは カレントテラピー 33-12 サンプル の電子ブックに掲載されている15ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
カレントテラピー 33-12 サンプル

36 Current Therapy 2015 Vol.33 No.121178要である.また,心拍数が増加すると心不全が悪化するため,心拍数のコントロールが必要となる.ジギタリスによる徐拍化は効果が弱く,β遮断薬のほうが望ましい.再発予防にVaughan-Williams分類のⅠ群やアミオダロンを除くⅢ群薬はその催不整脈作用から用いられるべきではない.アミオダロンは副作用があるものの最も洞調律維持に優れている.Class Ⅰ 抗凝固療法(A)β遮断薬,ジゴキシンを用いた心拍数コントロール(B)アミオダロン(B):β遮断薬が禁忌の場合の心拍数コントロールClass Ⅱa 非ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬(C):心拍数コントロールアミオダロン(C):再発予防目的Class Ⅱb 洞調律維持を目指す治療方針2 心室性不整脈に対する薬物治療心不全例における心室性不整脈は,左室拡大や左室駆出率低下のある患者ほど出現頻度が高く予後が悪い.心不全例での突然死の回避にはβ遮断薬が有用とされ,アミオダロンも選択枝のひとつである.Class Ⅰ 誘因の除去(A):ストレス,電解質異常,虚血,神経体液性因子Class Ⅱa アミオダロン(C):ICD作動回数減少目的Class Ⅱb アミオダロン(C):症候性心室頻拍例でICDが不可能な場合Class Ⅲ 抗不整脈薬(A):無症候性の心室性不整脈の治療目的Ⅵ 合併症を有する患者での心不全薬物治療1 高血圧症高血圧は,圧負荷の増大によって左室収縮能および拡張能の障害をもたらし,左室リモデリングの促進,心筋酸素需要量の増加,冠動脈内皮障害の進展などをきたす.日本高血圧学会『高血圧治療ガイドライン(JSH2014)』16)では,心血管疾患を有する高血圧症例は高リスク群に分類され生活習慣是正とともに降圧薬による治療を直ちに開始することを勧めている.ACE阻害薬,ARB,β遮断薬は心不全患者の予後改善や心血管イベント抑制に対する多くのエビデンスを有しており,これらの単独もしくは併用による降圧治療が推奨される.さらなる降圧には,心機能低下例でアルドステロン拮抗薬が適応となる.長時間作用型のジヒドロピリジン系のCa拮抗薬は心不全患者の予後を悪化させないことがわかっており安全に使用できる.降圧目標は症例により異なるが,130/80mmHg未満とする報告が多い.原因疾患の検索左室心筋が原因左室への物理的圧迫が原因右室負荷,心膜炎症癒着,心嚢液貯留等による拡張障害 →原疾患の治療重症度判定慢性期〈原因疾患の除去〉〈心不全症状のコントロール〉●利尿薬,硝酸薬〈血圧,心拍数のコントロール〉〈左室肥大・線維化の抑制〉●β遮断薬●ACE阻害薬,アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬●カルシウムチャネル拮抗薬急性増悪増悪因子の速やかな除去血行動態の把握心拍出量→利尿薬硝酸薬血管拡張薬血管拡張薬カテコラミンPDE阻害薬心拍出量↓図2左室拡張不全心不全の治療アルゴリズム〔参考文献1)より引用改変〕