カレントテラピー 33-12 サンプル

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Current Therapy 2015 Vol.33 No.12 81治療薬解説1223ことから,心拍数70拍/分以上の左室機能障害を有する安定冠動脈疾患患者においては,ivabradine追加投与により,冠動脈イベントを抑制し得る可能性が示された.また,サブ解析において,ivabradineによる左室収縮末期容量係数の改善が,心拍数の低下と相関していることが示され,ivabradineによる心拍数の低下が左室リモデリングを改善する可能性が示唆された6).(2)SHIFT試験2010年,洞調律の症候性心不全患者に対するivabradineの効果を検討した多施設共同無作為割付二重盲検試験(SHIFT試験)の結果が発表された.心拍数70拍/分以上の洞調律,左室駆出率35%以下,12カ月以内に心不全増悪による入院の既往がある,安定症候性心不全患者6,505名が対象となった.心血管死および心不全増悪による入院は,ivabradine群で有意に低下していた(ハザード比0.82,p<0.0001)7).この内訳は,主に心不全増悪による入院の抑制であったが(プラセボ群21% vs. ivabradine群16%,p<0.0001),心不全死も有意に抑制されていた(プラセボ群5% vs. ivabradine群3%,p=0.014)(図4)7).この結果から,心拍数70拍/分以上の心不全患者におけるivabradineによる心拍数低下の有効性が示された.また,BEAUTIFUL試験と同様にサブ解析においても,ivabradine群で有意な左室収縮末期容量係数および左室駆出率の改善が認められ,ivabradineによる左室リモデリング抑制効果が示唆された8).この試験では,対象患者の約90%にβ遮断薬,80%にアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬,60%に抗アルドステロン薬が導入されており,十分な標準治療がなされている心不全患者においてivabradine追6176321,4931,5031,4671,4745996182,3472,3642,3142,3302,5482,5732,5302,5532,6932,6990 0.5 1.0 1.5 2.010502,6932,6990 0.5 1.0 1.5 2.01050Number at riskプラセボ群Ivabradine群プラセボIvabradinep=0.001A:心筋梗塞による入院年Number at riskプラセボ群Ivabradine群プラセボIvabradinep=0.023B:急性心筋梗塞あるいは不安定狭心症による入院年心イベント発生率心イベント発生率図3BEAUTIFUL試験:心拍数70拍/分以上のサブグループにおける心イベント〔参考文献5)より引用改変〕