カレントテラピー 33-2 サンプル

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78 Current Therapy 2015 Vol.33 No.2170Ⅷ 何を学べたのか,何を感じ取ることができたのか本実習は開始してからまだ間もないため,十分な評価と効果検証が済んでいない.しかし,中間振り返りおよび最終振り返りをとおして,2週間にわたり彼ら学生が体験してきた地域医療の現場を考察させ,かつレポートを提出させている.以下に,学生から提出された地域医療学実習に対する学生の声やレポートの抜粋を列挙する.下記の実例のように,実習に参加した学生ごとにさまざまな場面を経験し,数多くのものを体得したようである.また,図3に実習終了後の簡易アンケートの結果を提示する.学生①<いかに生き,いかに死ぬのか>本実習は期待していた以上に印象に残る場面に富んでいたために,多くのことに気づき,考えを巡らせる契機となった.それらは疾患への理解や技術の習得などの個別な専門的事項というよりも,むしろ,より包括的で広い,職業観や人生観全体に関わるものであった.日常生活動作(ADL)の低下した患者さんに多く対面するにつけ,いかに患者さんの希望を拾い上げて,支えていくのかという問題に直面させられた.もっとも,これは自分自身についても跳ね返ってくる問いでもある.自分自身が同じような状況に置かれたときに,何を感じ,どのように生きたいと思い,どのような死を迎えたいと思うのか? ゆくゆくは自分がこうした問題に向き合っていく番になる.学生②<コミュニケーションの重要性について>陳腐な表現ではあるが,地域医療において(ひいては仕事一般において)コミュニケーションがいかに重要であるかを痛感させられた.それはご家族とスタッフの間についてや,スタッフ間の連携についても言えることである.次に,スタッフ間の連携についてである.地域医療という仕事では,情報を共有する,自らの考えを伝える,議論する,しかるべき伝達や連絡を確実に行う,腹を割って相談する,といったコミュニケーションがかなりの部分を占めている印象を受けた.##先生や##先生の訪問診療に同行するなかで,全体的に明るく,本音をストレートに話すスタッフの方が多いと感じたが,恐らくこのことと無関係ではないだろう.ピラミッド型の病院チーム医療とサークル型の地域チーム医療の違いもここに色濃く現れているようであった.いずれも「1:全く違った」~「5:全くそうだった」の5件法12345実習開始前実習終了後他職種への同行実習は積極的に行うべきと思う.●大学病院(病院医療)では見られないものが多く見られた.●一人の患者に多職種で関わっていくことが経験できた.他職種への同行実習は積極的に行うべきと思う.●在宅では,病院ではできないことをやっている.●患者のみではなく家族もケアしていることを経験できた図3実習効果:在宅医療への関心の変化診療所での医療,在宅医療に関心をもっている程度.(2013年11月~2014年6月,実習参加36名中33名のアンケート結果より)