カレントテラピー 33-2 サンプル

カレントテラピー 33-2 サンプル page 5/34

電子ブックを開く

このページは カレントテラピー 33-2 サンプル の電子ブックに掲載されている5ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
カレントテラピー 33-2 サンプル

8 Current Therapy 2015 Vol.33 No.2100Ⅰ 平成25年度からの医療計画への必須記載から平成26年度の医療介護の一括法改正へ医療計画は,昭和60年の医療法改正で位置づけられた制度で,医療提供体制の地域偏在の解消を目的に導入されたものである.策定主体は都道府県(政令市特例はない)であり,当初は基準病床を中心とした運用だったものが,平成18年の医療法改正をもとに,平成20年度からの第5次医療計画において4疾病(がん,脳卒中,急性心筋梗塞及び糖尿病)・5事業(救急医療,災害時における医療,へき地の医療,周産期医療及び小児医療)について記載することとなり,平成25年度からの第6次医療計画では,精神疾患及び在宅医療(法律上は居宅等における医療)も記載することとなった.さらに,平成25年12月には社会保障と税の一体改革の流れを受け,医療や介護を一体的に制度改革することを目的とした法改正を段階的に進めることを規定した,いわゆる社会保障プログラム法が成立し,同月末には社会保障審議会医療部会が,医療法等改正に関する意見をとりまとめた.これらを踏まえ,平成26年の通常国会において,医療介護の一括法である医療介護総合確保推進法が成立し,このなかで医療法における在宅医療に関する医療計画の位置づけがより明確になるとともに,介護保険法における在宅医療介護連携推進事業に関する規定が新設された.合わせて,消費税増収分を財源とする地域医療介護総合確保基金(図1:医療介護提供体制改革のための新たな財政支援制度)が,医療介護総合確保促進法を根拠に規定された.* 厚生労働省医政局地域医療計画課在宅医療推進室長治し支える医療としての在宅医療の現状と展望在宅医療の政策的な課題と展望佐々木昌弘*8年ぶりの医療法改正を含む「医療介護総合確保推進法」が平成26年6月に成立し,在宅医療は,この制度改革が目指した,地域医療提供体制と地域包括ケアシステムの結節点となった.これまでの在宅医療連携拠点事業(平成23年度10カ所,平成24年度105カ所.事務局は国立長寿医療研究センター)や,診療報酬といった形での政策誘導に加え,法的な根拠をさらに強固にして,全国344の二次医療圏や,1,741の市町村での取り組みが加速されることとなる.こうした背景から,わが国の在宅医療に関する政策は,来年度から介護保険の地域支援事業のひとつとして在宅医療介護連携推進事業が始まることを受けた「行政の市町村への展開」,今年度までの小児在宅のモデル事業を踏まえた「小児等への対象者の展開」,都道府県が策定する地域医療構想のもとで地域医療における具体的に位置づけがされていく「入院からの質的な展開」を迎えていくこととなる.