カレントテラピー 33-3 サンプル

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Current Therapy 2015 Vol.33 No.3 73代替療法291減したメニューを考慮するべきであり,脈拍が上昇している原因を検索する.また,運動療法導入後に心不全の自覚症状(呼吸苦,浮腫,食欲低下など),他覚所見(1週間以内で2kg以上の体重増加,運動療法前と比較して安静時および運動直後のSpO2低下,レントゲン上のうっ血像や胸水の増悪)などがあれば,心不全に対する加療を優先させる必要がある.Ⅴ おわりに心房細動に対する運動療法は,運動耐容能の改善やQOLの改善といった効果をもたらす.また,心房細動のリスクファクターである,高血圧,糖尿病,肥満などの冠危険因子の改善といった効果を介して,予防効果にもつながると考えられる.高齢化社会に伴い,ますます心房細動が増加している現社会において,適度な運動は心房細動の予防・治療法の一助となることが期待される.参考文献1) 循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2011年度合同研究班報告):心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(2012年改訂版).日本循環器学会.(http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2012_nohara_h.pdf)2)Mozaffarian D, Furberg CD, Psaty BM, et al:Physical activityand incidence of atrial fibrillation in older adults:thecardiovascular health study. Circulation 118:800-807, 20083)Aizer A, Gaziano JM, Cook NR, et al:Relation of vigorousexercise to risk of atrial fibrillation. Am J Cardiol 103:1572-1577, 2009いいえ,なしはい,あり現在の処方で継続強度を一段階上げる処方した運動強度が不十分 注4運動処方 運動療法開始 運動処方作成はCPXを用いる 注3運動時の心拍数コントロールができている 注2安静時の心拍数コントロールが心拍数コントロールできている(110bpm未満)心不全の増悪なし 注1 心不全コントロール注1 心不全の自覚症状(呼吸苦,浮腫,食欲低下など),他覚所見(1週間以内で2kg以上の体重増加,運動療法前と比較して安静時および運動直後のSpO2低下,レントゲン上のうっ血像や胸水の増悪など)など注2 運動負荷時の脈拍上昇の程度,自覚症状,運動時間,ピークの代謝当量(METs)数等で,運動療法導入可能か判断するHR variation 10 bpm/min以下を心拍数コントロールの指標としてもよい注3 CPXでは,AT時の負荷量やMETs数から歩行速度を算出トレッドミル検査では,中等度負荷の場合は最大運動負荷でのMETs数の40~60%から,軽度負荷ならMETs数の20~40%から歩行速度を算出注4 最大運動負荷から算出した運動強度では,ATレベルに達していない可能性もあるため,運動療法導入後に血圧,脈拍,自覚症状をみて,負荷不十分と判断した場合は,高強度負荷への変更を考慮する図心房細動の運動療法のフローチャート※同ガイドラインⅢ 運動療法の一般的原則を参照.〔参考文献1)より引用改変〕