カレントテラピー 33-4 サンプル

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76 Current Therapy 2015 Vol.33 No.4394で大切だといわれている.第5条. 年齢や季節に応じて,ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を.①必要な睡眠時間は人それぞれ②睡眠時間は加齢で徐々に短縮③年をとると朝型化 男性でより顕著④日中の眠気で困らない程度の自然な睡眠が一番第5条は,同一個人でも年齢や社会環境の変化による生理的な変化について記している.睡眠時間は,食欲や気分とともに季節により変動することが示されている.夜間の睡眠時間は,10 歳代前半では約8時間以上,65 歳には約6時間と,重篤な疾患のない人では加齢とともに減少していく.一方,夜間に寝床で過ごす時間は,20~30 歳代では7時間程度であるが,45 歳以上では徐々に増加し,75 歳では7. 5 時間を越えることが示されている.また年齢が高いものほど早朝覚醒の傾向が高く,男性において顕著であることも示されている.適切な睡眠時間には個人差があり,同一個人でも年齢や社会環境が変われば変化するものである.健康保持の観点から,日中しっかり覚醒して過ごせることを睡眠充足の目安とすることや,心身の不調など問題があるときには,睡眠習慣について見直すことも重要である.第6条. 良い睡眠のためには,環境づくりも重要です.① 自分にあったリラックス法が眠りへの心身の準備となる②自分の睡眠に適した環境づくり第6条は,良い睡眠を得るためには心身の緊張を解くことや,寝室の環境を調整することの重要性について記している.リラックスした状態では,不安感情などが生じにくいことより,スムーズに入眠するにはリラックスすることが大切だといわれている.そのためには,就寝前には個人にあったリラックス方法を実践することが必要とされる.加えて,睡眠時の環境も重要である.不適正な室温環境や騒音,明かりのなかでは,覚醒傾向が強まることが示されている.良い睡眠のためには,季節の変化を考慮し,空調,寝具,寝衣により温熱環境を整えることや,覚醒作用のある光や騒音を適正化するなど適切な睡眠環境を保持する工夫が必要となる.第7条. 若年世代は夜更かし避けて,体内時計のリズムを保つ.①子どもには規則正しい生活を②休日に遅くまで寝床で過ごすと夜型化を促進③朝目が覚めたら日光を取り入れる④夜更かしは睡眠を悪くする第7条は,若年世代のライフスタイルに伴う睡眠の特徴について記している.思春期になると夜更かしをするようになる.就寝時刻の遅れは体重増加やメンタルヘルスへの影響も懸念される.合わせて,休日の起床時間が遅れがちになることも特徴である.夜更かしや休日の起床時間の遅延は,体内時計のリズムを乱す.起床直後に太陽の光を浴びることは,体内時計をリセットするため,睡眠覚醒リズムには重要である.曇りの日であっても屋外では室内の5 倍以上の明るさがあるので,起床後なるべく早く戸外の光を浴びることが,体内時計をリセットするために望ましいとされる.国内の研究では,就寝直前の携帯電話の使用が,中学生や高校生の夜更かしを促進し,睡眠に悪影響を及ぼしていることも示されている.第8条. 勤労世代の疲労回復・能率アップに,毎日十分な睡眠を.①日中の眠気が睡眠不足のサイン②睡眠不足は結果的に仕事の能率を低下させる③睡眠不足が蓄積すると回復に時間がかかる④午後の短い昼寝で眠気をやり過ごし能率改善第8条は,勤労世代を対象とした睡眠問題の特徴と対策について記している.勤労世代は睡眠不足を予防することが重要となる.睡眠不足は疲労や心身の健康リスクを増すだけでなく,作業能率の低下や事故,ヒューマンエラーの危険性を高める恐れがあ