カレントテラピー 33-4 サンプル

カレントテラピー 33-4 サンプル page 25/32

電子ブックを開く

このページは カレントテラピー 33-4 サンプル の電子ブックに掲載されている25ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
カレントテラピー 33-4 サンプル

Current Therapy 2015 Vol.33 No.4 77代替療法395る.昼過ぎ以外の時間帯においても強い眠気におそわれる場合には,睡眠不足の可能性がある.日中の眠気が起こらない程度の睡眠時間の確保に努めることや,午後の早い時刻に30分以内の仮眠をすることは,疲労の蓄積を防ぐのに有効である.さらに,職場においても,労働者が適切な睡眠時間を確保できるように,職場の特性や様態に合わせた勤務スケジュールを設計するなどの対策も大切である.第9条. 熟年世代は朝晩メリハリ,ひるまに適度な運動で良い睡眠.①寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る②年齢にあった睡眠時間を大きく超えない習慣を③適度な運動は睡眠を促進第9条は,比較的高齢な熟年世代の睡眠について記している.年齢が高くなるほど睡眠と覚醒のメリハリをつけることが重要である.正味の睡眠時間は加齢とともに短くなるのに対して,寝床に就いている時間は延長している.必要な睡眠時間においても個人差があり,昼間の活動量などでも変化する.寝床に就いている時間は生理的な睡眠時間を大きく越えないことが重要で,就床時刻と起床時刻を調節し,上手に睡眠スケジュールを設計することが必要となる.日常生活のなかで体を動かすことや,定期的な運動は不眠の発生を抑制することが知られているが,過度な運動は入眠困難をまねく恐れもある.高齢者の場合には,身体の状態に配慮しながら,定期的に運動を取り入れることも大切である.第10条. 眠くなってから寝床に入り,起きる時刻は遅らせない.① 眠たくなってから寝床に就く,就床時刻にこだわりすぎない② 眠ろうとする意気込みが頭を冴えさせ寝つきを悪くする③ 眠りが浅いときは,むしろ積極的に遅寝・早起きに第10条は,誤った信念や理解の改善を意図し記されている.眠れない人の多くは,不適切な睡眠習慣や睡眠環境,睡眠に関する誤った信念や理解により,自らの不眠を悪化させている傾向がみられる.また,望ましい睡眠時間を確保するために,目覚めなければいけない時刻から逆算して早く就床しがちでもある.眠りが浅く,夜間に何度も目が覚めてしまう場合には,必要な睡眠時間よりも長く寝床で過ごしている可能性がある.眠るための不適切な努力や眠りに対する不安・恐れは,入眠困難を悪化させ,不眠を習慣化させることが示されている.適切な時刻になり,適切な環境が整っていれば眠りは自然に訪れる.その日の眠気に応じて寝床につくことがスムーズな入眠への近道であることが示されている.第11条.いつもと違う睡眠には,要注意.① 睡眠中の激しいいびき・呼吸停止,手足のぴくつき・むずむず感や歯ぎしりは要注意② 眠っても日中の眠気や居眠りで困っている場合は専門家に相談第11条は,不眠症状を有した場合の受診勧奨を記している.寝つきが悪い,眠りが浅い,何度も目覚め再入眠しづらい,熟睡感を得られない,強い不眠と昼間の眠気などで困っている場合などは,専門的な治療を要する病気が隠れている恐れもある.さらに睡眠中の激しいいびきや呼吸停止は,睡眠時無呼吸症候群の可能性がある.睡眠中の手足のぴくつきは,周期性四肢運動障害の可能性があり,足のむずむず感や熱感は,レストレスレッグス症候群の可能性がある.さらに,歯ぎしりのある人は,顎関節の異常や頭痛が多いことが示されている.上述の疾患がある場合は,一定の睡眠時間を確保しても休息感が得られず,日中に過度の眠気を誘発する.長期的には仕事や学業に支障をきたし,労働災害や交通事故などの危険因子にもなり得るため,早期に専門家へ相談する必要がある.第12条. 眠れない,その苦しみをかかえずに,専門家に相談を.①専門家に相談することが第一歩②薬剤は専門家の指示で使用