カレントテラピー 33-6 サンプル

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Current Therapy 2015 Vol.33 No.6 27咳嗽各論563どこかの時点で気管支拡張薬の効果を確認しておくことが望ましい.気管支拡張薬の効果の有無確認を待てない状況では,ICSの投与を考慮してもよい2).喀痰中好酸球増多,呼気中NO濃度上昇は補助診断に有用であるが,低値例もみられるため注意を要する.Ⅵ 治療CVAの治療方針は,典型的喘息と基本的には同様であり,ICSが第一選択薬となる.『喘息予防・管理ガイドライン2009』では,従来よりの軽症間欠型喘息相当にもICSの連用を基本治療として推奨している.CVAでも好酸球性炎症や気道リモデリングを認めることから,同様の対応が妥当と考えられる2).既治療例で症状が残っていたらICSを高用量まで増量しながら適宜他の長期管理薬を追加する.未治療例における治療開始時の治療は症状の強さに基づいて決定する(表2および下記)2).1 軽症例中用量のICS単剤で加療する(薬剤ごとの使用量は表3参照).製剤の特徴を理解し,患者に合った咳が惹起されにくい薬剤を選択する.治療効果が乏しい場合,他のICSへの変更により改善することが少なくない.吸入手技,アドヒアランスや局所副作用のためICSを使用しにくい場合には,CVAでも好酸球性炎症の抑制作用を発揮し単剤での短期的有効性が知られるロイコトリエン受容体拮抗薬(図4)17)を代替薬として使用する.2 中等症以上中~高用量ICSを中心に,必要に応じて長時間作動型β2刺激薬,ロイコトリエン受容体拮抗薬,徐放性テオフィリン製剤を併用し,ICSの増量も考慮する.ICS以外の長期管理薬の優先選択順位は確立されていないが,前二者の有用性が高い.しかし個々の薬剤への反応性や副作用の出現しやすさは患者ごとに異なるので,薬価や患者の嗜好も考慮して薬剤を選択する.必要なら2 剤以上を上乗せする.吸入長時間作動型β2刺激薬ではICSとの配合剤が使用でき(現在本邦では4薬剤,5剤型),速やかな効果発現と良好なコンプライアンスが期待できる.夜間睡眠や仕事,学業などに支障をきたすほどに咳が強ければ配合剤で治療を開始してもよい.3 悪化時の治療上気道炎などによる悪化時や,ICS吸入により咳嗽が誘発される場合,連夜の睡眠障害など症状が強い場合には,短時間作用性吸入β2刺激薬を頓用で用いながら経口ステロイド薬を短期間併用する.4 難治例への対応抗メディエーター薬(抗トロンボキサン薬など)が著効することがある.しばしば合併するGERDの治療も考慮する2),19).治療前重症度軽症中等症以上症状・症状は毎日ではない.・ 日常生活や睡眠への妨げは 週1回未満・夜間症状は週1回未満・症状が毎日ある・日常生活や睡眠が週1回以上妨げられる・夜間症状は週1回以上長期管理薬・中用量吸入ステロイド薬 (使用できない場合はLTRA)・中~高用量吸入ステロイド薬,±LABAまたは LTRAまたはテオフィリン徐放製剤 (LABAは配合剤の使用可)・ 2剤以上の追加やLTRA以外の抗アレルギー薬の併用も考慮して良い発作治療・吸入SABA頓用・効果不十分なら 短期経口ステロイド薬・吸入SABA頓用・ 効果不十分なら経口ステロイド薬(症状に応じて治療開始時から数日間併用してもよい)表2咳喘息の治療開始前の重症度と重症度別治療指針LABA:長時間作用性β2 刺激薬,LTRA:ロイコトリエン受容体拮抗薬,SABA:短時間作用性β2 刺激薬〔参考文献2)より引用改変〕