カレントテラピー 33-7 サンプル

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Current Therapy 2015 Vol.33 No.7 55総合診療専門医の育成695もに,地域のニーズを踏まえた疾病の予防,介護,看取りなど医療・保健・福祉・介護活動に取り組み,絶えざる自己研鑽を重ねながら人々の命と健康に関わる幅広い問題に適切に対応する使命を担う.3)専門研修後の成果(Outcome)主に,地域を支える診療所や病院において,他の領域別専門医,一般の医師,歯科医師,医療や健康に関わるその他職種等と連携して,地域の医療・保健・福祉・介護等の様々な分野におけるリーダーシップを発揮しつつ,多様な医療サービス(在宅医療,緩和ケア,高齢者ケアを含む)を包括的且つ柔軟に提供できる.Ⅲ 本学における「未来医療研究人材養成拠点形成事業卒前から生涯学習に亘る総合診療能力開発」について上記のような背景のなか,本学では,超高齢化社会において,地域で必要な総合診療能力をもつとともにプライマリ・ケア現場での臨床研究能力を併せもつ人材養成が急務であるととらえ,地域と大学が強く連携し,卒前教育から生涯学習に亘るシステムにより,「幅広い多様性」という総合診療の専門性を基礎に,地域医療問題を解決するための臨床研究能力を備える医師養成プログラムを実施しているので,それを紹介する3).教育プログラムとしては,表に示すごとく,8本の柱を構築した.以下,それぞれの項目について概説する.1 卒前教育での「高齢者医療体験実習」の新設本学ではすでに,医学科1年次に「福祉体験実習」,2年次に「在宅ケア実習」,3年次に「重症心身障害児療育体験実習」,「地域子育て支援体験実習」,4年次に「病院業務実習」,5年次に「家庭医実習」の6単位が必修科目として設定されていたが,「高齢者」に関する体験実習が不足していた.そこで,医学科3年次に「高齢者医療体験実習」を必修化し,子ども,障害者,難病患者,高齢者という時間軸と,在宅,地域福祉施設,診療所,保健センター,病院という地域の場を軸とした体験実習を完成させた.これにより学生は地域での多様な医療ニーズに触れることとなる.これらの体験は学生が臨床研修後に自分の専門を選ぶとき,地域医療の選択肢を考えるきっかけとなる.このカリキュラムを通して,多職種と触れ合い,教育を受け,多職種の業務内容と理念を理解することにより,将来多職種協働(inter-professional work:IPW)を円滑に進めることのできる医師に成長することを目標としている.2 初期研修での「へき地医療プログラム」の拡充本学では卒前教育で,地域での障害者,重症心身障害児,健康な子ども(児童館やプレーパークなどでは発達障害や軽度の知的障害,生育環境に問題がある児とも接触する),高齢者,という時間軸,さらに在宅医療(高齢者だけでなく,難治性疾患患者,精神疾患患者,生活保護受給患者やその家族),開業医ネットワークを中心とする都市型地域医療,在宅や病院でのIPWといった多様な「場」での医療ニーズの体験をするが,東京都内にある医科大学の弱点として「へき地医療・離島医療」についての体験の場の欠如を解決する必要がある.そこで,臨床研修で「へき地医療プログラム」を必修化することで,都市型地域医療だけでなく,へき地医療についても卒前に経験させる.また,受け入れ地域医療機関指導医には,本プログラムの理解を深めてもらうための指導医養成(facultydevelopment:FD)も実施している.表 東京慈恵会医科大学における「卒前から生涯学習に亘る総合診療能力開発」の基本骨格①卒前教育での「高齢者医療体験実習」の新設②初期研修での「へき地医療プログラム」の拡充③ 専門修得コース(レジデント)での「総合診療コース」の新設④ 大学院での授業細目「地域医療プライマリケア医学」の新設⑤レジデント・博士課程コンバインドコースの新設⑥大学院でのEBMと臨床研究セミナーの開設⑦ 総合診療・家庭医療ブラッシュアッププログラムの開発⑧復職支援スタートアッププログラムの開発