カレントテラピー 33-7 サンプル

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56 Current Therapy 2015 Vol.33 No.76963 専門修得コース(レジデント)での「総合診療コース」の新設2017年に予定されている新専門医制度を見据え,日本プライマリ・ケア連合学会の改訂後期研修プログラムに準拠し地域での研修を延長し,総合診療の「あるべき姿」の研修を実現する.地域のニーズに応える「幅広い多様性」すなわち総合診療能力をもち,プライマリ・ケアで生じる問題を臨床研究という手段で解決する能力をもつ人材を育成すべきと考える.高齢者はさまざまな疾病を同時に抱えるため臓器横断的診療が必要なだけでなく,在宅医療を中心とした地域医療においては高齢者の日常生活評価,家族機能との関連,社会福祉資源の活用等を身に付ける必要がある.高齢者医療だけでなく,地域で重要となる小児医療,ワクチン接種などの予防医療の知識と実践,プライマリ・ケアにおける適切な初期診療とトリアージ能力をもつためにER型救急医療を担える能力をもつことも必須である.そこで,本学では,図に示すように,将来的に病院に基盤を置く,日本版ホスピタリストに成長することを目標とした,病院基盤型総合診療医コース(病院総合医コース)と,地域の診療所等,人材・設備ともに少ない環境のなかで働くことを目標とした,地域基盤型総合診療医コース(家庭医コース)の2種のコースを設定した.4 大学院での授業細目「地域医療プライマリ・ケア医学」の新設地域で総合診療を行いその中心的存在としてリーダーシップをとっていくためには,自らの医療現場で生じた問題を解決していく能力を備え,指導者として後進の指導に当たる必要がある.地域医療で生じる問題は,大学等高次機能病院で発生する問題とは異なる.例えばcommon diseaseの診断と治療,患者- 医師関係,家族機能,複雑性,一次予防,行動科学,在宅医療など,高次機能病院ではテーマとなりにくい問題に日々直面している.したがって地域で総合診療に携わりながら臨床研究の知識と技術をもち,日々の診療で生じた疑問からリサーチクエスチョンを立案し,計画,実行,さらにその結果を発信していくclinician researcherを養成する.本学において,すでに開設されている社会人大学院では,地域で働く複数の医師が,地域医療において発生する問題をテーマにして,医学博士の学位を取得しているという実績がある4).5 レジデント・博士課程コンバインドコースの新設専門修得で「総合診療」を学びながら,地域で総合診療を行いその中心的存在としてリーダーシップをとっていくためには,自らの医療現場で生じた問題を解決していく能力を備え,指導者として後進の指導に当たる必要がある.6 大学院でのEBMと臨床研究セミナーの開設日常診療,業務中に生じた疑問を解決するために,EBMの手法に基づいて,データベースサーチが行えるとともに,得られた情報の妥当性等を吟味することができ,適用を判断できる能力を養成する.さらに疫学や生物統計学の知識と技術が加われば,地域での疑問を研究仮説まで昇華させることができ,疫学・1年次2年次3年次病院基盤型総合診療医コース(病院総合医コース)地域基盤型総合診療医コース(家庭医コース)4内科内科小児科小児科救急部救急部診療所診療所病院総合診療部門病院総合診療部門領域別選択領域別選択領域別選択領域別選択5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 34内科内科病院総合診療部門5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 34 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 34 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3図 東京慈恵会医科大学 総合診療医育成プログラムの概要