カレントテラピー 33-7 サンプル

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Current Therapy 2015 Vol.33 No.7 69海外の総合医・家庭医の現状709Ⅲ 家庭医(英国)と総合内科専門医(日本)の専門性の比較英国では家庭医の専門性がかなり細かく定義づけられており,これが,GPのコンピタンシーとしてきちんと明文化されている(図3)2).特に,英国家庭医学会のカリキュラムにおいては以下の6つの専門性を中心においている.1.プライマリ・ケアマネージメント2.人間中心のケア3.プライマリ・ケア特有の問題解決能力4.包括的アプローチ5.地域指向性6.全人的アプローチ一方,この6つの専門性は,現在協議されている以下の総合診療専門医の特性にかなり共通する部分があると思われる.1.扱う問題の広さと多様性2.領域別専門医や多職種との連携3.多様な医療サービスを包括的かつ柔軟に提供4.地域を診る5.全人的な医療を提供卒前教育5~6年間基礎研修1年目(3×4カ月の病院研修)基礎研修2年目(3×4カ月の病院研修)各科専門研修3年間GPを目指す場合には・基礎研修の2年間の間に2,3カ月診療所での研修を行い,他は病院での研修を行う.・専門研修の3年間の間に約1年の診療所での研修を行い家庭医療指導医に「師事する」 残りの期間で,救急・小児科・産婦人科・精神科・内科・腫瘍科・老年科などをまわる.・研修プログラムの過程のなかで家庭医専門医試験(MRCGP)を受ける.GMCへの医籍登録専門研修の選択各科専門医認定試験最終試験図2英国での医師養成課程プライマリ・ケアマネージメント人間中心のケアプライマリ・ケア特有の問題解決能力包括的アプローチ地域指向性全人的アプローチ・あらゆる健康問題を扱い,必要に応じて多職種や臓器別専門医と連携する・患者の個性を尊重し,パートナーとして継続的に対応する・問診,身体診察,検査を選択的に活用し,不確実な病状でも,時間軸や疫学的アプローチなどを用いて効率的・効果的に対応する・急性・慢性を問わず複数の問題に同時に対応し,健康増進,予防,治療,介護,生活支援,緩和ケアなどを行う・個人と地域の健康ニーズと,地域資源とのバランスを図る・病や健康に影響する,患者や家族の意向や環境を理解し尊重する図3英国家庭医の6つの専門性:competence〔参考文献2)より引用改変〕