カレントテラピー 33-7 サンプル

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16 Current Therapy 2015 Vol.33 No.7656Ⅰ はじめに総合診療専門医制度の議論が始まってからすでに2年が経過したが,ようやく制度の骨格が完成し,2017年4月からの専門研修スタートに向けて準備が加速しようとする段階にある.おそらくこの文章が世に出る頃には研修カリキュラムやプログラム整備基準の概要が明らかになっているであろう.本稿においては,他稿で語られるであろう総合診療専門医制度の概要を前提としながら,総合診療に関連する専門医制度が日本でどのように発展してきたかという歴史をひもときつつ,総合診療専門医制度設立との関係性,そして,現在の家庭医療専門医制度の概要と運営状況について概説する.Ⅱ 日本における総合診療領域に関する専門医制度の歴史旧日本プライマリ・ケア学会は1993年に認定医制度を設立し,地域医療の現場でプライマリ・ケアを実践する実地医家の診療機能を評価するシステムをスタートさせた.ただ,認定プロセスは一定の臨床経験とプライマリ・ケアに関するレポートの提出,そして筆記試験での合格というもので,日本内科学会など他の学会の認定プロセスとおおよそ似たものであった.そうしたなかで,海外で運営されているfamilymedicineやgeneral practiceなどに類似する,よりレベルの高い認定制度の設定が求められるようになり,主としてプライマリ・ケア分野を自らの主領域として活動しようとする若手医師を対象とする“プライマリ・ケア専門医制度”の設立が計画された.1997年* 日本プライマリ・ケア連合学会副理事長/医療法人北海道家庭医療学センター理事長日本の総合医療はどうあるべきか― 新たな総合診療専門医制度の発足を迎えて総合診療専門医―日本プライマリ・ケア連合学会の立場から―草場鉄周*1997年に始まった旧プライマリ・ケア学会によるプライマリ・ケア専門医制度,2006年に始まった旧家庭医療学会による家庭医療専門医制度に源流をもつ日本プライマリ・ケア連合学会の家庭医療専門医制度は,現在219のプログラムと456名の家庭医療専門医資格保持者,350名ほどの登録専攻医をもつ,日本で最大のジェネラリストに関する専門医制度である.臨床技能の審査やプログラム制度を基盤としたポートフォリオによる評価制度など,他領域に先駆けて導入された制度も少なくない.2013年に新制度を意識して改定された専門研修プログラムは総合診療専門医制度設計の基盤となっており,診療所や小病院,さらには病院の総合診療部門を含む総合診療専門研修と内科・小児科・救急科の研修が必須となる構造はそのまま維持される見込みである.その一方で,専門医制度を支えるシステムは多くの会員の献身的貢献に依存しており,急速な拡大は難しく,総合診療専門医制度においても質の高い専門医を焦らず着実に育成することが重要である.