カレントテラピー 34-2 サンプル

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Current Therapy 2016 Vol.34 No.2 71代替療法175合部アブレーション+ペースメーカに比し優越性がある」と結論づけられている6).ただし,このような肺静脈隔離の優越性は,あくまでアブレーションが奏功し,洞調律が長期間維持できているという前提の下に成り立つものである.大きな注目を集めたSTAR AFⅡの結果を振り返ってみる7).この臨床試験の主要な結果は,「持続性AF患者において,肺静脈隔離に加え線状焼灼やCFAE焼灼を行ってもAFの再発を抑制できなかった」という驚くべき事実であった(図3)7).アブレーションによる初期成功率は97%と高かったが,18カ月経過した時点で,抗不整脈薬投与の有無にかかわらず30秒以上続くAF再発が,肺静脈隔離群の41%に,肺静脈隔離+線状焼灼群の54%に,肺静脈隔離+CFAE焼灼群の54%に認められた.対象患者の平均年齢は約60歳,左房径は45 mm程度であった7).視点を変えると,「世界一流の施設で,比較的若年層でそれほど左房径の大きくない症例を対象にした場合でも,持続性AFでは1年半後の洞調律維持率は50%程度に過ぎない」と認識することも肝要であろう.アブレーション後の洞調律維持率については,自施設の水準も客観的に評価したうえで正確な情報を患者サイドに与えるべきである.以下に,症例を呈示する.1 症例65 歳男性.CHADS2スコア=0点,CHA2 DS2 -VAScスコア=1点(65歳以上のみ).2 現病歴61歳時に初回のAFを生じたが自然停止した.今回(65歳時),少なくとも8カ月持続するAFのため当科を紹介された.明らかな動悸はないものの,以前に比し易疲労感が増強しているとのことであった.3 心電図,心エコー図所見など初診時の心電図を示す(図4 A).心拍数106/分の頻脈性AFである.心エコー図検査では,左房径=47.1mm,左室拡張末期径=53.9mm,左室駆出率=62.8%であった.血中脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)濃度=44.7pg/mL.4 患者への説明8カ月以上経過した持続性AF症例であり左房径もある程度大きく,アブレーションによる洞調律維持の可能性はそれほど高くないと思われた.しかし,放置すれば間違いなく永続性(慢性)AFに移行すること,AF持続によって運動耐用能が低下していること,年齢が若くアブレーションが奏功すれば将来,抗凝固療法が不要になるなど利点が大きいことを考慮し,アブレーションを勧めた.1回のアブレーションで長期的な洞調律維持が得られる可能性は50%程度であることを伝えたところ,アブレーションを受けたいとの意向を得た.5 アブレーション直流通電によりいったん洞調律化したが,手技中にAFに移行したため,AF中に高周波通電を行った.左右の肺静脈隔離を行った後,直流通電で洞調律に0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 190100908070605040302010肺静脈隔離(PVI)のみPVI+CFAE焼灼PVI+線状焼灼p=0.15初回アブレーションからの期間(月)AF非再発率(%)図3STAR AFⅡの結果18カ月経過した時点で,抗不整脈薬投与の有無にかかわらず30秒以上続くAF再発が,肺静脈隔離群の41%に,肺静脈隔離+線状焼灼群の54%に,肺静脈隔離+CFAE焼灼群の54%に認められた.〔参考文献7)より引用改変〕