カレントテラピー 34-3 サンプル

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Current Therapy 2016 Vol.34 No.3 69当事者・家族からのお願い275い病院や施設はいまだにあるし,地方ではさらにこうした状況を多く目にするからである.安易な抑制は,認知症の人の持てる力,快復可能性を無残に削ぎ落とし,尊厳を損なうということを,肝に銘じたい.Ⅴ 認知症ケアと医療の今後の課題きたる2017年4月に再度,京都でADI国際会議が開催されることとなった.世界80カ国から,国内を含め5,000名近くの参加が見込まれている.メインテーマは「認知症:ともに新しい時代へ Dementia:Together Towards a new era」となった.わが国では新オレンジプランによる国家戦略が進み,ちょうど仕上げの時期とも重なる.これからの時代に,認知症があっても責められず,認知症にあらがうのではなく,認知症とともに安穏に暮らしていける社会(表)を,医療においても実現していただきたいと思う.参考文献1) Naomi Feil:認知症の人との超コミュニケーション法 バリデーション.(藤沢嘉勝監訳),筒井書房,東京都,20012) トム・キッドウッド:認知症のパーソンセンタードケア 新しいケアの文化へ.(高橋誠一訳),筒井書房,東京都,20053) イヴ・ジネスト,ロゼット・マレスコッティ:Humanitude.( 本田美和子監修,辻谷真一郎訳),トライアリスト東京,大阪市,20144) 有吉佐和子:恍惚の人.新潮社,東京,19725) Christine Boden:Who will I be when I die?. Harper CollinsReligions, Australia, 19976) クリスティーン・ボーデン:私は誰になっていくの? アルツハイマー病者からみた世界.(桧垣陽子監訳),クリエイツかもがわ,京都市,2003表 公益社団法人 認知症の人と家族の会の理念〈理念〉 認知症になったとしても,介護する側になったとしても,人としての尊厳が守られ日々の暮らしが安穏に続けられなければならない. 認知症の人と家族の会は,ともに励ましあい助けあって,人として実りある人生を送るとともに,認知症になっても安心して暮らせる社会の実現を希求する.