カレントテラピー 34-6 サンプル

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12 Current Therapy 2016 Vol.34 No.65222 ビタミンとミネラルビタミンとミネラルについては,今回は数値の改定は比較的に少ない.そのなかで糖尿病管理に関連し,特に注意したいのはナトリウム(食塩相当量)とカリウムだろう.それぞれの目標量は表4のとおりである.ナトリウムの目標量は今回の改定でさらに下げられた.その一方で,日本高血圧学会や世界保健機関が推奨している値,それぞれ6 g/日未満,5g/日未満よりも多い.日本人にとって食塩はいまもって大きな課題である.なお,カリウムは,当然のことながら,腎機能の低下は考慮していない.ナトリウムとカリウムについては目標量を一方的に患者に告げるのではなく,その実行可能性を十分に考慮した実践的な指導が課題である.ビタミンやミネラルの不足は潜在的であり,通常の臨床検査では発見できないものが多いため,食事アセスメントを行わない限りわからない.食事アセスメントの重要性はここでも強調されるべきである.Ⅴ 生活習慣病とエネルギー・栄養素との関連4つの生活習慣病(高血圧,脂質異常症,糖尿病,慢性腎臓病)における,エネルギー・栄養素との関連について記述されている.この章の特徴は,両者の関連が図としてまとめられている点である.例えば,糖尿病は図3であるが,個々の栄養素について個別にメカニズムを説明するのではなく,栄養素が目標量1(中央値2)(男女共通)年齢等たんぱく質脂質3炭水化物4,5脂質飽和脂肪酸0~11(月) ─ ─ ─ ─1~17(歳) 13~20(16.5) 20~30(25) ─ 50~65(57.5)18~69(歳) 13~20(16.5) 20~30(25) 7以下50~65(57.5)70以上(歳) 13~20(16.5) 20~30(25) 7以下50~65(57.5)1 各栄養素の範囲については,おおむねの値を示したものであり,生活習慣病の予防や高齢者の虚弱の予防の観点からは,弾力的に運用すること.2 中央値は,範囲の中央値を示したものであり,最も望ましい値を示すものではない.3 脂質については,その構成成分である飽和脂肪酸など,質への配慮を十分に行う必要がある.4 アルコールを含む.ただし,アルコールの摂取を勧めるものではない.5 食物繊維の目標量を十分に注意すること.表3エネルギー産生栄養素バランス(%エネルギー)(1歳以上)年齢区分食物繊維(g/日)ナトリウム(食塩相当量)(g/日)カリウム(mg/日)(歳) 男性女性男性女性男性女性1~2 ─ ─ 3.0未満3.5未満─ ─3~5 ─ ─ 4.0未満4.5未満─ ─6~7 11以上10以上5.0未満5.5未満1,800以上1,800以上8~9 12以上12以上5.5未満6.0未満2,000以上2,000以上10~11 13以上13以上6.5未満7.0未満2,200以上2,000以上12~14 17以上16以上8.0未満7.0未満2,600以上2,400以上15~17 19以上17以上8.0未満7.0未満3,000以上2,600以上18~29 20以上18以上8.0未満7.0未満3,000以上2,600以上30~49 20以上18以上8.0未満7.0未満3,000以上2,600以上50~69 20以上18以上8.0未満7.0未満3,000以上2,600以上70以上19以上17以上8.0未満7.0未満3,000以上2,600以上表4特に注意すべき栄養素(食物繊維,ナトリウム,カリウム)の目標量