カレントテラピー 35-11 サンプル

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14 Current Therapy 2017 Vol.35 No.111024ルによるインスリン効果値はあくまでも目安であるため,計算通りにならないことがある.そのような場合はインスリン効果値の修正を個別に行う.3 応用カーボカウントとインスリン効果値を利用した血糖補正の併用食直前に高血糖を認める場合,応用カーボカウントと血糖補正を同時に行うことによって,食後の血糖推移を安定させることが可能となる.例) 糖質/インスリン比:10,インスリン効果値:60,食前血糖値220mg/dL,目標血糖値100mg/dL,糖質摂取予定量(カーボカウント):80gの場合食直前インスリン必要量= 応用カーボカウント+補正インスリン量=(80÷10)+((220-100)÷60)=8+2=10単位すなわち,超速効型インスリンを10単位皮下注することによって,応用カーボカウントと食直前高血糖の補正を同時に行うことが可能となる.Ⅶ おわりに1型糖尿病における強化インスリン療法の有用性を実証したDiabetes Control and Complications Trial(DCCT)研究がはじまった1980年代は,速効型ならびに中間型インスリンが主流であり,食後高血糖のコントロールや(特に夜間の)低血糖対策に非常に苦労していた時代であったと思われる.また,自己血糖測定器も測定精度や使い勝手の面において,現在と比べると見劣りするものであった.強化インスリン療法の概念は今も昔もかわらないが,インスリンアナログ製剤の普及やSMBG,CGM,FGMの技術的な進歩によって,今日の強化インスリン療法はより理想的なものに進化したといえよう.更なる進化に遅れをとることのないよう,医療従事者は専門的知識の修得とスキルの向上に絶えず努めていく必要がある.参考文献1)永田正男:糖尿病の療養指導2007.療養指導士を育てるために.社団法人日本糖尿病学会編.第1版,p114,診断と治療社,東京,20072)Walsh J, Roberts R, Bailey T:Guidelines for insulin dosing incontinuous subcutaneous insulin infusion using new formulasfrom a retrospective study of individuals with optimal glucoselevels. J Diabetes Sci Technol 4:1174-1181, 20103)Kuroda A, Yasuda T, Takahara M, et al:Carbohydrate-toinsulinratio is estimated from 300-400 divided by total dailyinsulin dose in type 1 diabetes patients who use the insulinpump. Diabetes Technol Ther 14:1077-1080, 20124)Stoller WA:Individualizing insulin management. Threepractical cases, rules for regimen adjustment. Postgrad Med111:51-54, 59-60, 63-66, 2002