カレントテラピー 35-11 サンプル

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Current Therapy 2017 Vol.35 No.11 232型糖尿病:一例一例異なる病態に沿った治療法の選択,さらに併用療法のパートナーは?1033障害であった.この問題について朝食事開始から30分後のミグリトール50mg内服効果について,あくまで非糖尿病例を対象にではあるがMasudaらにより詳細に報告されている18).これによると朝食直前内服と比べて朝食後血糖30分値は有意に上昇するものの2時間までの血糖曲線下面積に差はなく,また食直前のミグリトール内服なしの次の食後(昼食後)の2時間までの血糖曲線下面積はむしろ低下するとされている.なお朝食前のミグリトール内服タイミングの如何にかかわらず昼食後血糖は昼食前ミグリトール内服なしにも対照と比べて低下することも示され,それは朝食時に内服されたミグリトールの糖質吸収抑制作用の遷延によるのではなく,少なくとも一部は昼食後のGLP - 1分泌上昇への作用を介するものであることが示されている.また2型糖尿病例を対象にして食後30分内服でも食直前内服の場合と比べて遜色ない食後血糖改善効果が得られるとも報告されている19).Ⅵ 副作用とその臨床腸管内に発生するガスにより腹部手術既往例へのα- GIの投与は慎重にとされてきた一方,胃切除によるdumping症状への有用性も繰り返し報告されてきた.ブドウ糖吸収の抑制による食後血糖とインスリン分泌の抑制に加え,GLP- 1分泌促進による胃排泄遅延の影響も加わった結果と想像されている20).またRoux-en-Y胃バイパス術後例だけを対象にしてではあ門脈左枝門脈本幹~門脈右枝図4 Bモード像(グルコバイ服用中)肝内に多数の点状高エコーが散在している.肝内門脈内にも移動する点状高エコーがみられ,容易に“門脈ガス”と診断可能である.この所見は壊疽性腸炎以外に多彩な原因から生じる.