カレントテラピー 35-11 サンプル

カレントテラピー 35-11 サンプル page 21/28

電子ブックを開く

このページは カレントテラピー 35-11 サンプル の電子ブックに掲載されている21ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
カレントテラピー 35-11 サンプル

Current Therapy 2017 Vol.35 No.11 73治療薬解説1083パクトをもって迎えられたのは,このSGLT2阻害薬を用いたEMPA-REG OUTCOME試験である.前述のLEADER試験に先んじて2016年に発表され,心血管イベント抑制,死亡の抑制効果が示された初めての糖尿病治療薬であったため大変注目を浴びることとなった.この試験は,42カ国590施設に通院する,血糖コントロール不良でCVDの既往のある2型糖尿病患者7,020名をエンパグリフロジン10mg群,25mg群,プラセボ群の3群に無作為に割り付け,観察期間中央値3.1年で主要エンドポイント(心血管死,非致死性心筋梗塞,非致死性脳卒中の複合)におけるプラセボ群に対する治療薬群の非劣性を検討したものである.結果は,エンパグリフロジン10mg群,25mg群を合わせた治療薬群でプラセボ群に比し有意に主要エンドポイントを抑制した(HR 0.86,95%Cl 0.74-0.99,非劣性<0.001,優越性p=0.04).非致死性心筋梗塞,非致死性脳梗塞ではニュートラルな結果であったが,心血管死に関しては,有意な抑制効果(HR0.62,95%Cl 0.49- 0.77,p<0.001)が認められ,心不全による入院も有意に減少(HR 0.65,95%Cl 0.50-0.85,p=0.002)していた16).この結果を受けて,FDAは,ジャディアンスR(エンパグリフロジン)に,CVDを有する成人2型糖尿病患者に対する心血管死のリスク減少を適応として追加承認するに至った.CANVASはカナグリフロジンの心血管系への影響,CANVAS -R試験はアルブミン尿の進展に対する効果を検討する目的で実施された国際大規模臨床試験であるが,両者の統合解析が2017年に発表された17).CVDの既往がある30歳以上,または, CVDのリスクが高い50歳以上の2型糖尿病患者10,142名を対象に表 GLP-1受容体作動薬関連の大規模臨床研究の比較ELIXA13) LEADER14) SUSTAIN- 615)対象180 日以内のACS 救急受診歴50 歳以上の心,脳,末梢動脈既往,心不全,stage 3 以上CKDまたは,60 歳以上のCVD リスク保持50 歳以上の心,脳,末梢動脈既往,心不全,stage 3 以上CKDまたは,60 歳以上のCVD リスク保持症例数6,068 名9,340 名3,297 名追跡期間中央値 2.1 年中央値 3.5 年中央値 2.1 年主要評価項目3 P-MACE +不安定狭心症入院3 P-MACE 3 P-MACE平均年齢治療薬群60.6 歳,プラセボ群59.9 歳治療薬群64.2 歳,プラセボ群64.4 歳64.6歳平均糖尿病罹病期間治療薬群9.4 年,プラセボ群9.2 年12.8年13.9年CVD 既往100% 72% 59%開始時のHbA 1 c 治療薬群7.6%,プラセボ群7.7% 8.7% 8.7%開始時の体重治療薬群85.1 kg,プラセボ群84.6 kg 治療薬群91.9kg,プラセボ群91.6kg 92.1 kg治療薬 vs. プラセボリキセナチド 20μg vs. プラセボリラグルチド1.8 mg vs. プラセボセマグルチド0.5 mg/ 週 vs.プラセボ0.5 mg/ 週セマグルチド1.0 mg/ 週 vs.プラセボ1.0 mg/ 週終了時のHbA 1 c プラセボ群に比し- 0.27% プラセボ群に比し- 0.4%0.5 mg;- 1.1% vs. - 0.4%1.0 mg;- 1.4% vs. - 0.4%主要評価項目発生率とハザード比13.4% vs. 13.2%,HR 1.02,95%CI,0.89- 1.17,非劣性p <0.001,優越性認めず13.0% vs. 14.9%,HR,0.87;95%CI,0.78- 0.97非劣性p < 0.001;優越性p= 0.016.6% vs. 8.9%,HR 0.74;95%CI,0.58- 0.95非劣性p < 0.001,優越性p = 0.02心血管死有意差なし4.7% vs. 6.0%,HR 0.78,95%CI 0.66- 0.93,p = 0.007有意差なし非致死性心筋梗塞有意差なし有意差なし有意差なし非致死性脳梗塞有意差なし有意差なし1.6% vs. 2.7%,HR,0.61;95%CI,0.38- 0.99 p = 0.04全死亡有意差なし8.2% vs. 9.6%,HR 0.85,95%CI 0.74- 0.97,p = 0.02有意差なし心不全入院有意差なし有意差なし有意差なし有害事象主に消化器症状主に消化器症状主に胃腸障害 糖尿病網膜症,3.0% vs. 1.8%(HR, 1.76;95%CI, 1.11- 2.78;p = 0.02)