カレントテラピー 35-8 サンプル

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Current Therapy 2017 Vol.35 No.8 79治療薬解説793る症例を除外した.REVEL試験は,既治療非小細胞肺がんを対象に,DTX療法へのRamの上乗せ効果を検証した海外第Ⅲ相臨床試験である20).主要評価項目のOSの中央値は,Ram併用群10.5カ月,非併用群9.1カ月〔HR 0.86(95%CI:0.75~0.98),p=0.023〕と有意な延長を示した(図2).副次評価項目のPFSにおいても,中央値が併用群で4.5カ月,非併用群3.0カ月〔HR 0.762(95%CI:0.68~0.86),p<0.0001〕と良好であったほか,奏効率(併用群23% vs. 非併用群14%,p<0.0001)や病勢制御率も優れていた.特に奏効率については,二次治療における殺細胞性抗がん剤を用いた治療としては,20%を超える良好な成績であった.また,国内第Ⅱ相臨床試験(JVCG試験)においても,主要評価項目であるPFSの中央値は併用群5.22カ月 vs. 非併用群4.21カ月〔HR 0.83(95%CI:0.59~1.16)〕,副次評価項目のOS中央値は併用群15.15カ月 vs. 非併用群14.65カ月〔HR 0.86(95%CI:0.56~1.32)〕,奏効率は併用群28.9% vs. 非併用群18.5%と,REVEL試験と類似していた21).さらに,参考程度ではあるが,REVEL試験,JVCG試験には,少数ながら扁平上皮がん,前治療Bev使用例が含まれ,このような症例に対しても効果を示す可能性がある.Ⅳ 血管新生阻害薬の有害事象血管新生阻害薬の併用で増える有害事象がいくつかある.BevではGrade3以上の有害事象として,好中球数減少,発熱性好中球減少症(febrile neutropenia:FN),出血イベント,高血圧,蛋白尿が報告されている.好中球数減少とFNは,Ramでも増加することが示されている.最も注意をしなければならないものの一つに喀血・肺出血があり,喀血の既往はBevでは禁忌である.AVF - 0757g試験では,Bev併用群(7.5mg/kg群と15mg/kg群を含める)においてGrade1/2の喀血・肺出血が17例(25.4%)で,Grage3以上の重篤な喀血が6例(9%)に発現し,うち4例が死亡した(6%)2).6例のうち扁平上皮がん4例,空洞病変5例,中枢病変6例などがリスクファクターとしてクローズアッ1.00.10.20.30.40.50.60.70.80.900 366286255275014153863293062311971561291038670564536232311920003 6 9 12 15 18 21 24 27 30 33Number at riskRamucirumabplus docetaxelPlacebo plusdocetaxelRamucirumab plus docetaxelPlacebo plus docetaxelRamucirumab vs. placeboRamucirumab plus docetaxelPlacebo plus docetaxelCensored10.5months(9.5~11.2)9.1months(8.4~10.0)Stratified HR 0.86(95% Cl:0.75~0.98);p=0.02331.8%27.0%Overall survivalTime(months)Median(95% Cl) Censoring rate図2REVEL試験の全生存期間〔参考文献20)より引用改変〕