カレントテラピー 35-9 サンプル

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12 Current Therapy 2017 Vol.35 No.9826異)は全体の9.3%に認められ,そのうちBRCA1/2は2.3%にすぎず,その他の乳癌関連遺伝子のvariantが4%であった17).また,乳癌以外の遺伝性大腸癌(リンチ症候群)や,ポリポーシス関連遺伝子のvariantなども見つかっている.また,同パネルを1,781人の乳癌女性に行ったところ,41%にVUSを検出したとの結果も出ている18()図3).遺伝子によってVUS率は異なるが,BRCA のような豊富なデータベースが存在しない遺伝子が含まれるため,そのvariantの解釈が追いついていないのが現状である.また,癌発症年齢が高い群ほど,浸透率の高いBRCA のようなhighrisk geneではなくmoderate~low geneの保有比率が高くなると報告されている19).これらのmoderate~low geneに対する適切な医学的管理の,特に長期的なエビデンスは乏しいため,発端者およびその癌未発症変異保持者を含む血縁者に対する対応は米国の遺伝医療においても一部混乱をきたしている.現状米国のガイドラインでは表3のように医学的管理が推奨されているが,遺伝性腫瘍のprevalenceや発症リスクには民族差が必ず見られることから,日本人のmultigenepanelの臨床応用は,現時点では一部困難があることが予想される.Ⅲ わが国のこれからの課題“癌易罹患性の体質を知る”,だけの時代から,その体質に対する前向きなサーベイランス,予防医療の開発とともに,体細胞だけでなく生殖細胞系列の遺伝学的検査が治療のコンパニオン診断となった現在,遺伝PV Prevalence2.5%BRCA以外の乳癌関連遺伝子リンチ症候群その他の遺伝子腫瘍遺伝子2.0%1.5%1.0%0.5%0.0%BRCA1BRCA1Other 24.0%Genes51.5% BRCA224.4%BRCA2ATMBARD1BRIP1CDH1CHEK2NBNPALB2PTENSTK11TP53MLH1MSH2MSH6PMS2EPCAMAPCCDKN2AMUTYHRAD51CRAD51DSMAD4図2multi-gene panelによる変異検出率〔参考文献17)より引用一部改変〕0.00%2.00%4.00%6.00%8.00%10.00%12.00%VUS率ATMBRCA2APCRAD51CMUTYHBARD1MSH6RAD51DBRCA1PTENBMPR1ASMAD4CDK4図3multi-gene panel によるVUS 検出率〔参考文献18)より引用一部改変〕