カレントテラピー 36-11 サンプル

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カレントテラピー 36-11 サンプル

Current Therapy 2018 Vol.36 No.11 31動脈硬化の早期診断(どこまで分かるか? 適応)1071輝度は定性的には低輝度(echolucent,hypoechoic),等輝度(echogenic,isoechoic),高輝度(calcified,hyperechoic)の3群に分けることが多い.低輝度は血管内腔に近い輝度でB modeのみでは見えにくいもの,等輝度は筋肉の輝度に近いもの,高輝度は骨の輝度に近いものとされている.プラーク表面の性状は平滑(smooth),壁不整,潰瘍に分類される.また潰瘍はその陥凹が2mm以上のものと定義されている.Ⅴ 頸動脈狭窄率の計測狭窄率の算出方法には,図3に示すようなECST法,NASCET法,面積狭窄率という3つが用いられている.それぞれの方法によって同じ狭窄率(%)でも重症度が異なるため,どの算出法で求められた狭窄度かを必ず確認する.一般に同じ狭窄性病変を評価した場合,面積狭窄率≧ECST≧NASCETとなる.過去に脳卒中や一過性脳虚血発作の既往のある症例ではNASCET法で70%以上,過去に脳卒中の既往のない症例では80%以上の狭窄率のある場合に頸動脈内膜剥離術または頸動脈ステント留置術の適応を考慮することになる.Ⅵ 血流速度頸動脈エコーの血流速度検査(図4)では,主に左右の総頸動脈,内頸動脈,椎骨動脈について,収縮期最高血流速度(peak systolic velocity:PSV),拡張末期血流速度(end-diastolic velocity:EDV),時間平均最大血流速度(time averaged maximumvelocity:TAMV),および拍動係数(pulsatilityindex:PI)が計測される.PIは,末梢血管抵抗を評価する指標として用いられ,PI=(PSV-EDV)/TAMVとして算出できる.内頸動脈に狭窄性病変があると,狭窄部の末梢でPSV・EDVが上昇する.PSVが200cm/s以上のときNASCETで約70%以上の狭窄があるとされている.一方,測定部位の中枢側に狭窄性病変や大動脈弁狭窄症があると血流速度の上昇が緩やかとなり,収縮期波形の立ち上がり時間が延長する.01 2 3 4 50.80.91.01.11.201 2 3 4 51.01.52.0頸動脈IMT進展度(5分値) 観察開始時頸動脈IMT(5分値)ハザード比ハザード比図3 頸動脈IMT経時的伸展度,観察開始時頸動脈IMTと心血管イベントとの関連左欄は横軸に頸動脈IMT進展度の5分値,右欄は観察開始時頸動脈IMTの5分値と心血管イベントのハザード比を示す.右欄に示すように観察開始時のIMTは増大するとともに血管リスクが高まる.一方左欄では頸動脈IMTの経時的な進展度と血管イベントリスクには関連がないことが示されている.〔参考文献8)より引用〕