カレントテラピー 36-12 サンプル

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14 Current Therapy 2018 Vol.36 No.121162YJコードなど,保険請求のためのコードは時代とともに体系の変更があるので,医療記録としてはそれぞれの薬剤コードが永久に変化しないHOTを用いる必要がある.なお,標準病名v.1.0では管理組織がなかったため,利用されなくなった.これらの標準には管理組織が必要である.2 データを保存する形式,通信の標準化,標準規格世界的にはHIMSS7)学会がつくったHL78),北米放射線学会RSNA9)がつくったDICOM規格10)が中心である.画像および画像に関する検査系で用いられるDICOMに対し,それ以外はHL7が利用される.HL7,DICOMともに枠組みと通信を規定しているが,枠の内容,薬剤コード,検査コード等は各国で決めて使用することになる.3 標準規格を使って目的のシステム化をするための業務フローの標準化上記のHIMSSとRSNAが業務フローに応じてHL7,DICOMその他の標準規格を用いてシステムの機能を考えるIHE11)が存在する.IHEはradiology(放射線関係),eye care( 眼科関係),patient caredevices(ベッドサイド系),IT Infrastructure(情報基盤)等のドメイン毎に必要な機能を検討し,業務フローの仕組み(technical framework)を提案する.その実現のためには提案を作成するだけではなく,IHEではコネクタソンと呼ぶ接続テストを行い,3つの他社システムと接続できることにより承認する.各国に支部を置いて地域差も考慮される.日本では日本IHE協会(IHE-J)12)がある.4 研究のための標準化研究データの抽出にはCDISC13)などの規格が存在する.Ⅲ 医療情報システムの安全管理ガイドライン14)医療情報システムの技術の利用方法,管理方法など,システムに求められる技術の条件を記載したガイドライン.厚生労働省によってつくられ,達成が求められる.生体認証の利用時にもIDの利用を求めたり,通信の暗号化にIPsec -VPNを求めるなど技術的要求事項や契約時の責任分界点の明確化等が記載されている.Ⅳ 遠隔診断等のシステム遠隔病理診断,遠隔放射線診断は静止画の伝送がされる.遠隔放射線画像では世界標準のDICOM規格で画像が保存され,通信規格や最低限の圧縮率が決められている.また,表示する診断用モニターに関しても白黒画像の表示方法がDICOM規格で規定され,IHEでもモニターとプリントの見え方の一致を図る方法が記されている.Consistent presentationof images(CPI)も提案されている.一方,病理画像の表示には「バーチャルスライド」と呼ばれるシステムが普及している.病理スライドを高倍率でスキャンし大きなデジタルデータにして保存し,グーグルマップのように必要に応じて低拡大率から高拡大率まで顕微鏡で見ているように表示するシステムである.ベンダー間で相互に利用する標準化はこれからである.染色方法なども標準化が必要と言われている.消化管内視鏡,超音波検査では動画像も加えてDICOM規格で保存伝送されることも可能である.ただ,内視鏡手術や超音波検査ではリアルタイムでの遠隔支援をする場合もあり,この時には動画像伝送のTV会議システムを用いる場合がある.TV会議システムでは動画像圧縮の方法はいくつかの標準化がされており,同じ動画像圧縮であれば,ベンダー間で通信可能である.しかし,多地点で動画像配信をするための多地点接続装置(multipointcontrol unit:MCU)を用いる場合や動画像に加えて資料になる静止画を伝送する場合には,ベンダー毎に独自の仕様が使われ,ベンダー間でこの機能の実現はできない.また,動画像のインターネット経由通信では,画像の圧縮率やコマ数はインターネットの通信速度に応じて変化するものもあり,この場合には,自分側の端末の映像は高精細でも相手側には劣化した画像が表示される場合もある.帯域保証のないインターネットの場合には帯域は変動するた