カレントテラピー 36-6 サンプル

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Current Therapy 2018 Vol.36 No.6 11膵腫瘍性疾患5133 動脈浸潤の評価動脈と腫瘍との間に明瞭な脂肪織を認める場合には浸潤はないと判断できる.腫瘍が動脈を取り囲む場合には動脈浸潤と確診できる.また偏在性に腫瘍により圧排狭窄している場合にも浸潤と診断している(図7).4 門脈浸潤の評価腫瘍と門脈との間に明瞭な脂肪の濃度が存在する場合には門脈浸潤なしと診断してよい.門脈が腫瘍により圧排狭窄を示す場合,あるいは静脈が腫瘍に取り囲まれて狭窄ないし閉塞する場合には門脈浸潤と容TSMA図5 70歳代男性,膵頭部癌,上腸間膜動脈周囲神経叢浸潤ダイナミックCT後期動脈相では,膵頭部後部の膵癌(T)から連続して,上腸間膜動脈(SMA)の後方に棍棒状の進展を認める.神経叢浸潤と診断し,組織学的に確認された.SMVSMA SMV SMAA.ダイナミックCT後期動脈相B.平衡相図650歳代女性,膵鉤部癌,上腸間膜動脈周囲神経叢浸潤ダイナミックCT後期動脈相(A)では,上腸間膜動脈(SMA)周囲を取り囲むように乏血性腫瘍(矢頭)を認める.平衡相(B)では,腫瘍は遅延性に濃染し動脈が棍棒状に膨らんでみえる.T図4 50歳代男性,膵頭部癌,後腹膜浸潤(Rp),前方浸潤(S)ダイナミックCTの門脈相では,膵頭部の腫瘍(T)から後方に連続してspicula様の突出(矢頭)を認め,後腹膜浸潤陽性である.膵頭部の前面も不整であり,漿膜浸潤(S)も陽性である.