カレントテラピー 36-7 サンプル

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82 Current Therapy 2018 Vol.36 No.7688Ⅱ 機能性ディスペプシアと六君子湯FDの病態としては胃排出の低下,適応性弛緩の障害,内臓知覚過敏が中心と考えられ,酸の関与や心理学的要因,さらに最近では十二指腸の微細な炎症,脳腸相関の関与なども指摘されている6)~8).FDの治療では,真の病態が明らかではないため,さまざまな薬物や治療法が試みられてきた.しかしながら,これらの薬剤では十分な治療効果が得られているとは言い難く,漢方の効果に期待が寄せられている.実際,最近の日本消化器病学会のガイドライン7)や最近の英文総説8)にも六君子湯などの漢方薬が取り上げられるようになっている.従来,FDに対する漢方薬の臨床効果に関する質の高いエビデンスはきわめて少なく,特に英文の文献はほとんど存在しなかった.しかしながら最近,FDに対する六君子湯の効果がRCTによって明らかにされつつある.最初のRCTはTatsutaらによるもので,ゲファルナートを対照薬とし42名のFD患者HHCHHCHHCHHCHHCHHCHHCHC=OOHHCHHCHHCHHCHHCHHCHHCHC=OO?末梢で産生され食欲亢進作用を有する唯一のホルモン?1999年,Kojimaらにより内因性のGH分泌刺激物質として発見された?主に胃粘膜のX/A様細胞で産生される?進化的によく保存された28個のアミノ酸からなる?GOATによりN末端から3番目のSerにオクタン酸が付加される?オクタン酸によるアシル化修飾は生物活性に必須である?食欲を亢進させ脂肪分解を抑制することでエネルギー恒常性を維持する?代謝,消化器機能,心臓血管機能,呼吸器機能,免疫,脳機能,細胞増殖・分化などに広く関与するNH2Humanacylated ghrelin desacylghrelinCOOHn-octanoyl group(C8:0)K ARatP P A K L Q P RKK S E K R Q QG S S F L S P E H Q R V NH2HumanCOOHn-octanoyl group(C8:0)K ARatP P A K L Q P RKK S E K R Q QG S S F L S P E H Q R VBuChEGOAT図1グレリンの構造と機能機序標的分子に対する作用ヒトで体内移行する主な活性成分血中グレリンレベルの増加グレリン分泌亢進5-HT2B受容体遮断(末梢)HMF, hesperetin, nobiletin, naringenin(陳皮)5- H T2C受容体遮断(中枢)isoliquiritigenin, glcycoumarin(甘草)hesperetin(陳皮)α2アドレナリン受容体遮断(末梢)glcycoumarin(甘草), 8-shogaol*(生姜)1型CFR受容体遮断(中枢)glycyrrhetinic acid, glcycoumarin(甘草)nobiletin(陳皮)グレリン分解抑制CES, BuChE抑制(末梢)pachymic acid(茯苓), glcycoumarin*(甘草)8-shogaol*, 8-gingerol*(生姜)グレリン抵抗性解除GHSR1a活性増強(中枢,末梢)atractylodin(蒼朮)PDE3抑制(中枢) HMF, nobiletin(陳皮), isoliquiritigenin(甘草)表グレリンシグナルに対する六君子湯の作用*:これらの成分は血中では抱合体でのみ検出される〔参考文献5)より引用改変〕