カレントテラピー 36-7 サンプル

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Current Therapy 2018 Vol.36 No.7 9615様の方法を用いて検討したところ,1990年代と比べて胃酸分泌能は変化なかった5).Iijimaらも同様に内視鏡を用いて酸分泌能を年代毎に検討した結果,1995年から2014年の20年間においてH. pylori 感染陰性者は陽性者に比較して酸分泌能は高かったが,H.pylori 感染の有無にかかわらず年代別では変化はなかったと報告している6).このように健常日本人の胃酸分泌能はここ20年間で亢進していないことが最近10年間の有病率増加に歯止めをかけている可能性がある.一方,H. pylori 感染率の低下と除菌療法の普及はGERDに大きな影響を与えてきた7),8).すなわち,H. pylori 感染陽性者の減少は胃粘膜萎縮のない酸分泌能の保たれた高齢者が増加する可能性がある.また,除菌療法の普及により一時的であるにせ1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 200501020305060Study periodPrevalence( %)2010 201540図2本邦におけるGERD有病率の変化〔参考文献3)より引用改変〕胸やけなどGERD症状あり内視鏡的に食道粘膜傷害(mucosal break)あり逆流性食道炎びらん性食道炎GERD症状あり,粘膜傷害なし非びらん性胃食道逆流症(NERD)非びらん性GERD びらん性GERD 図1内視鏡所見と逆流症状との関連