カレントテラピー 36-8 サンプル

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カレントテラピー 36-8 サンプル

Current Therapy 2018 Vol.36 No.8 73サポート療法801理栄養士)・投薬点滴内容(薬剤師)・病歴(医師)・ADL(看護師)・検査値(検査技師)・リハビリ状況(リハビリテーション担当者)について現況を評価する.それらを基に回診前に情報を共有し,一人ひとり“なぜ食事量が少ないのか”“嚥下機能は問題ないか”“認知症はある(影響する)か”“現病のコントロール状況は”等の事前検討を行ったうえで回診を行う.回診は週1回,NSTメンバー全員による事前検討に引き続き行われる.回診時にはベッドサイドにて顔色,口腔内状況,患者の食事摂取や身体状況など直接状態を確認することでこれらの問題点を明らかにしていく.栄養管理方法の患者への説明,嚥下機能評価を行うこともある.回診後に改めてカンファレンスを行い,事前検討項目への修正を加えたうえで,最終的な介入判定を行い,介入症例には計画立案を行う.コメント内容としては,栄養摂取の経路を「経口摂取」とするか,経鼻胃管や胃ろうなどから「経腸栄養」とするか,「中心静脈栄養」とするか,を提言する.経口摂取を第一に,むずかしければ経腸栄養を,抗結核薬の投与経路と合わせ,経鼻胃管や胃ろうの作成も病態に応じて選択されるが,消化管が使えない場合は中心静脈栄養を検討する.投与経路や投与量とその内容などにつき,より適切な栄養療法が行われるように提案を行う.長期絶食後の経腸栄養導入期など,栄養療法において合併症など管理に難渋する場合に備え,NSTからプロトコルを作成し,提案することも行っている(表3).検討結果については主治医にカルテ上で報告する.介入症例は週1回状況を確認,更新し,介入終了判定を行うまで継続する.終了の判定は転帰良好もしくは転帰不良のいずれかであり,良好の判定は栄養改善による終了,もしくは転院を含めた生存退院であり,不良は病状悪化のための介入中止,もしくは死亡退院を意味する.また毎週の活動実績・内容について月1回NST委員会という形で振り返りを行い,活動内容を見直している.患者に直接介入するNST活動は入院中のみで退院時には終了となるが,退院後,食習慣が元に戻ったりすることがないように栄養サポートが継続されることが重要である.そのため,院内講演会などを通じてNSTに所属していないスタッフ全体の関心を高め,患者の栄養改善を支援してゆく活動にも注力している.また,年に1回は外部講師も招聘し,当院NSTの更なるレベルアップも図っている.職種役割医師対象患者の病状を把握・主治医の方針を確認栄養に関する問題点を判定,栄養療法の適応を決定栄養に関するプランの効果判定 など歯科医師口腔機能のモニタリング・アセスメント口腔機能改善方法の提案口腔ケア指導看護師対象患者の抽出,栄養障害の程度判定(栄養アセスメント)栄養状態・摂食状況の継続的な把握静脈・経腸栄養ルートの管理・維持経口栄養への移行推進(嚥下・摂食障害訓練へのアプローチ)管理栄養士対象患者の抽出・栄養アセスメント経腸・経口栄養療法の詳細なプランニング患者・家族への栄養指導薬剤師対象患者の抽出・モニタリング・アセスメント薬学の知識に基づいた栄養薬剤・栄養輸液メニューの提案・指導栄養輸液・混合輸液の投与法の選択・管理の指導臨床検査技師検査値からみた低栄養状態の入院患者リスト提示検査データ解析から問題点を抽出し追加検査の必要性につき検討する言語聴覚士対象患者のモニタリング・アセスメントから嚥下状態の評価・訓練嚥下機能に適合した食形態の提案・確認など理学療法士対象患者のモニタリング・アセスメントとリハビリテーション実施表2NST活動における各職種の役割