カレントテラピー 36-8 サンプル

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74 Current Therapy 2018 Vol.36 No.8802介入実績としては,2015年度はAlb3.0g/dL以下の症例全例を対象としたところ140例(30.3%)であった.結果として転帰良好が101例(72.1%),転帰不良が39例(27.9%)であった.翌2016年度は摂食障害があり,中等度以上の栄養障害を伴っている症例を主体に介入したところ対象は65例(15.4%)あり,転帰良好は41例(63.1%),転帰不良が24例(36.9%)であった(図1)10).低栄養に摂食障害を合併している症例の予後は不良であり,経口摂取できるかどうかは画像所見の広がりよりも死亡予測に有効であるとされる11),12)という報告もある.摂食障害と栄養障害(Alb<3.0g/dL)を伴う症例でのNST介入は結核の治療予後を改善するうえで有用であると考え,現在介入を行っている.<症例提示>・36歳 女性・主訴:下痢・体重減少・体動困難・現病歴:201X年8月に食思不振,不眠を訴え近医精神科を受診し神経性食思不振症と診断された.その後,発熱,下痢を認めたが薬剤性腸炎が疑われ経過観察となった.同年12月末に体重減少,体動困難を主訴にA医院を受診し,画像検査で肺結核を疑われ,喀痰検査を施行されたところ抗酸菌塗抹1+,Tb-PCR陽性となり,肺結核の診断にて翌日当院紹介入院となった.・生活歴喫煙:なし,飲酒:なし,仕事:201X年4月から失業中.それ以前は事務職.【現症】・身長 163.0cm,体重 38.1kg,BMI 14.3(2カ月で11kg減少:49.0→38.1kg=22%減少).・体温 37.3度,血圧 98/60mmHg,脈拍 104bpm,SpO2 98%(RA).・胸部:聴診上清,心雑音なし 腹部:平坦軟,Glu音亢進,臍下部に圧痛あり.・入院時血液検査 WBC 9,300/μL Hb 8.1g/dLalb 2.0g/dL CRP 8.27mg/dL Na 132mEq/L K3.1mEq/L IP 2.5mg/dL Mg 2.2mg/dL.・画像所見(図2)・臨床経過(図3)#1活動性肺結核(bⅢ1,薬剤全感受性),#2腸結核,#3低栄養(refeeding症候群高リスク群)と診断された.入院時,著明なるい痩と低栄養状態であっ経腸栄養投与スケジュール例逆流等,不安のある患者の場合はゲル状消化態栄養剤使用推奨絶食2週間以上の患者日経腸栄養剤投与量時間(速度)総エネルギー総水分量ポンプ開始前グルタミン製剤1日3回下痢なし・胃残留物が多くないゲル状消化態栄養剤(0.8kcal/1mL)90mL×3150mL×3200mL×3200mL×3300mL×3375mL×3300mL×3400mL×33時間3時間2.6時間2時間2時間1.8時間2時間2時間30mL/時50mL/時75mL/時100mL/時150mL/時200mL/時150mL/時200mL/時216kcal360kcal480kcal480kcal720kcal900kcal900kcal1,200kcal237mL396mL528mL528mL792mL990mL760mL1,014mL使う半消化態栄養剤(1kcal/1mL)使うことが望ましい1 ~ 2日目3 ~ 4日目5 ~ 6日目7 ~ 8日目9 ~ 10日目11 ~ 12日目13 ~ 14日目15 ~ 16日目Nutrition Support Team表3経腸栄養のプラン(例)長期絶食患者の経腸栄養導入について