カレントテラピー 36-8 サンプル

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Current Therapy 2018 Vol.36 No.8 79807として記載されている.日本でもin vitro の成績において,多剤耐性結核に対してはその使用が治療成績の改善に有用であったと報告されている4).国内でも日本結核病学会が主体となって,2003年に『結核医療の基準の見直し―第2報』5),および2008年に『「結核医療の基準」の見直し―2008年』5)のなかでLVFXを抗結核薬として記載し,2010年には『結核治療におけるLVFXの使用方法について』6)を発表した.しかし,その時点で結核に対する適応は承認されなかったため,日本結核病学会治療委員会が中心となって2012年に結核に対するLVFXの使用実態調査を行った7).調査は全国の施設から集めた1,304名を解析対象とし検討を行った.それによると,LVFXを使用した理由としては,先行薬の副作用のためが59.8%と最多であり,次いで薬剤耐性が24.6%,結核治療前から有する合併症のためが8.9%であった.他の抗結核薬が耐性のため使用した菌陽性結核で94.1%に菌陰性が得られ,先行薬の副作用のため使用した症例では93.0%が菌陰性化した.一方で多剤耐性結核では86.0%,INHとRFPの副作用ありで使用した症例では91.1%に菌陰性化が得られ,全症例では91.9%に菌陰性化が得られたとしている.LVFXの副作用は5.0%にみられ,主なものは関節痛,腎機能障害,発疹,発熱,肝機能障害であった.以上の経過を基にして,日本においても2015年に抗結核薬として承認された.2 デラマニド(DLM)DLMは大塚製薬が結核治療を目的として開発した新規ニトロ-ジヒドロイミダゾ-オキサゾール誘導体である.抗菌作用は細胞壁のミコール酸の合成阻害によるものであり,既存の抗結核薬との交差耐性はみられない.・DLMの臨床試験の概要多剤耐性肺結核を対象とした臨床試験8)において,WHOのガイドラインに沿った標準的な二次薬の組み特性薬剤名First line drugs(a) 最も強力な抗菌作用を示し,菌の撲滅に必須の薬剤リファンピシン,リファブチン,イソニアジド,ピラジナミドFirst line drugs(b) First line drugs(a)との併用で効果が期待される薬剤ストレプトマイシン,カナマイシンSecond line drugs First line drugsに比して抗菌力は劣るが,多剤併用で効果が期待される薬剤レボフロキサシン,カナマイシン,エチオナミド,エンビオマイシン,パラアミノサリチル酸,サイクロセリンMulti drugresistant drugs使用対象は多剤耐性肺結核のみデラマニド,ベダキリン表1抗結核薬のグループ化と使用の原則〔日本結核病学会治療委員会による「結核医療の基準」の改定-2017より引用〕PlaceboDelamanid100mg,twice daily200mg,twice dailyPatients(%)100(37/125)(64/141) (57/136)(38/113)(64/119)(75/115)29.6%45.4%p=0.008p=0.002p=0.04 p<0.00141.9%33.6%53.8%65.2%9080706050403020100PlaceboDelamanid100mg,twice daily200mg,twice dailyPatients(%)1009080706050403020100A Mycobacterial Growth Indicator Tube System B Solid Medium図2 プラセボ群と比較したデラマニドを使用した喀痰培養陰性化率〔参考文献8)より引用〕