カレントテラピー 36-9 サンプル

カレントテラピー 36-9 サンプル page 21/28

電子ブックを開く

このページは カレントテラピー 36-9 サンプル の電子ブックに掲載されている21ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
カレントテラピー 36-9 サンプル

64 Current Therapy 2018 Vol.36 No.9896Ⅳ その他のPD-1阻害薬と化学療法の併用療法1 KEYNOTE 189試験未治療の進行NonSq患者を対象としたペムブロリズマブ+プラチナ+ペメトレキセドとプラセボ+プラチナ+ペメトレキセドを比較する第Ⅲ相試験(KEYNOTE189試験,図2)が行われた11).主要評価項目はOSとPFSであった.OS中央値はペムブロリズマブ群では中央値に到達せず,プラセボ群で11.3カ月,ハザード比 0.49(95%信頼区間:0.38-0.64),p<0.001であった.PD-L1 high(TPS 50%以上)のサブグループにおけるハザード比は0.42(95%信頼区間:0.26-0.68),PD-L1 low(TPS 1-49%)ではハザード比 0.55(95%信頼区間:0.34-0.90),PD-L1陰性(TPS<1%)ではハザード比 0.59(95%信頼区間:0.38-0.92)であった.PFS中央値はペムブロリズマブ群で8.8カ月,プラセボ群で4.9カ月,ハザード比 0.52(95%信頼区間:0.43-0.64),p<0.001とペムブロリズマブ群で有意に良好であった.2 KEYNOTE 407試験未治療の進行Sq患者を対象に,ペムブロリズマブ+カルボプラチン+パクリタキセル(もしくはnab -パクリタキセル)とプラセボ+カルボプラチン+パクリタキセル(もしくはnab -パクリタキセル)を比較する第Ⅲ相試験(KEYNOTE 407試験,図2)が行われた12).主要評価項目はPFSとOSであった.559例が登録され,PFS中央値はペムブロリズマブ群で6.4カ月,プラセボ群で4.8カ月,ハザード比 0.56(95%信頼区間:0.45-0.70),p<0.0001とペムブロリズマブ群で有意に良好であった.PD -L1 high(TPS 50%以上)のサブグループにおけるPFSのハザード比は0.37(95% 信頼区間:0.24- 0. 58),PD - L1 low(TPS1-49%)ではハザード比 0.56(95%信頼区間:0.39-0.80),PD-L1陰性(TPS<1%)ではハザード比 0.68(95%信頼区間:0.47-0.98)であった.OS中央値はペムブロリズマブ群で15.9カ月,プラセボ群で11.3カ月,ハザード比 0.64(95%信頼区間:0.49-0.85),p=0.0008とペムブロリズマブ群で有意に長かった.未治療NSCLCを対象としたプラチナ併用療法とPD -(L)1阻害薬の併用療法の4つの第Ⅲ相試験9)~13)の結果は表3の通りである.PD-L1 high(TPS 50%以上)に対するペムブロリズマブ(KEYNOTE 024試験14))も含めてどの対象(PD-L1発現状況や組織型)に対してどの(化学療法+)PD -(L)1阻害薬のレジメンを選択するべきかはまだ明らかになってはいない.Ⅴ ドライバー変異陽性患者に対するアテゾリズマブの効果プラチナ治療後のNSCLCに対するドセタキセルとI -Oを比較する3つの比較試験2),4),15)に登録されたEGFR 遺伝子変異陽性症例を対象としたメタ解析が実施され,EGFR 陽性群におけるOSはハザード比1.05(95%信頼区間0.70-1.55),p<0.81とI -OによるOS延長効果は確認されなかった16).EGFR 陽性症例ではEGFR 野生型の症例と比較して奏効率,PFSともに劣ることが確認されており,EGFR 陽性症例に対するI -Oの効果は一般的には限定的と考えられていたが17),IMpower 150試験に登録されたEGFR /ALK 陽性の患者(108例)におけるPFS中央値は,B群(ABCP治療群)で9.7カ月,C群(BCP治療群)で6.1カ月,ハザード比0.59と報告された.OS中央値も,B群では中央値に到達せず,C群で17.5カ月であり,ハザード比0.54とアテゾリズマブ併用群で長い傾向が確認された13).Ⅵ 1次治療としてのアテゾリズマブ単剤治療の効果進行NSCLCを対象としたアテゾリズマブの第Ⅱ相試験(BIRCH試験)が行われ,主要評価項目は奏効率であった.未治療の139例が登録され,奏効率は22%であった.OS中央値は23.5カ月(TC3 or IC3群で26.9カ月)であった18).治療効果が期待できる患者群を対象としてアテゾリズマブを初回治療から用いる有効性を検証する目的で,血漿中の腫瘍由来循環DNAを用いてMutationburdenの量を評価し,遺伝子変異量が規定値以上