カレントテラピー 37-1 サンプル

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36 Current Therapy 2019 Vol.37 No.136Ⅰ 世界の診療ガイドライン非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fattyliver disease:NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)の疾患概念が提唱されてから30年以上が経過した.本邦のみならず世界的にもNAFLD/NASHは最も頻度の高い慢性肝疾患となっている.このような背景の下,本邦では2014年に日本消化器病学会編集の『NAFLD/NASH診療ガイドライン2014』が刊行された1).その後,Annual Review版(追補版)が2017年6月に発表され,日本消化器病学会のホームページからダウンロード可能となっている.また,2015年には日本肝臓学会編集の『NASH・NAFLDの診療ガイド2015』が出版され2),いずれも日常臨床の場で広く利用されている.最近,アジア太平洋肝臓学会(AsiaPacific Association for the Study of the Liver:APASL)も2017年版のガイドラインを発表した3),4).欧州では2016年に欧州肝臓学会(European Associationfor the Study of the Liver:EASL),欧州糖尿病学会(European Association for the Study ofDiabetes:EASD),欧州肥満学会(European Associationfor the Study of Obesity:EASO)が共同で編集したガイドラインが発表された5).米国では2012年に米国肝臓病学会(American Association for theStudy of Liver Disease:AASLD),米国消化器病学会(American College of Gastroenterology:ACG),米国消化器学会(American GastroenterologicalAssociation:AGA)編集のガイドラインが発表され6),その後,2018年1月にAASLDがこのガイドラインを更新し,診療ガイダンスを発表してい*1 奈良県立医科大学内科学第三講座(消化器・内分泌代謝内科)講師*2 奈良県立医科大学内科学第三講座(消化器・内分泌代謝内科)教授NAFLDとNASHの現況と展望─ 国民病となったNAFLD/NASHの疾患概念の変遷と問題点世界の診療ガイドラインの現状赤羽たけみ*1・吉治仁志*2本邦,欧米,アジアから非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)の診療ガイドラインが発表されている.米国のガイドラインは米国肝臓病学会が最新の知見を追加しガイダンスとして改訂された.NASHの予後規定因子は肝線維化の重症度であることから,すべてのガイドラインで高度の肝線維化を合併するNASHの診断と治療を重要視している.NASH診断のgoldstandardは肝生検であるとし,肝線維化進展例を効率良く拾い上げるための非侵襲的検査法について詳しく述べられている.現在のところ,NASHの肝特異的治療法は確立されていないため,ガイドラインでは糖尿病や脂質異常症などの合併疾患に対する治療薬のNASH改善効果を中心に述べている.高度の肝線維化進展例や線維化進展のリスクが高いNASH症例は薬物療法の適応となることは共通した見解である.