ブックタイトルカレントテラピー 37-2 サンプル

ページ
10/36

このページは カレントテラピー 37-2 サンプル の電子ブックに掲載されている10ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

カレントテラピー 37-2 サンプル

38 Current Therapy 2019 Vol.37 No.2150Ⅰ はじめに半月板は膝関節内で大腿骨と脛骨の間にある線維軟骨であり,その主な機能は,荷重分散,衝撃吸収,関節潤滑,膝関節の安定化などで,関節軟骨を保護している1).半月板損傷はアスリートや中高年者などによく見られる膝関節疾患であり,疼痛やひっかかり,水腫,膝崩れなどの症状のほかに,断裂した半月板が大腿骨と脛骨間に嵌頓し,膝関節が自分で動かせなくなるロッキングと呼ばれる症状を引き起こすことがある.半月板損傷による機能不全では,関節軟骨へのメカニカルストレスが増大し,軟骨損傷,ひいては変形性関節症(osteoarthritis:OA)へと進展する.本邦では膝OAの有病率は高く,膝OA患者では生活の質(QOL)や労働生産性が低下すると報告されている2).半月板の外周縁部の約1/3には血行が存在するが,それより内側には神経・血管は認められず,修復・再生能力は低い3),4).半月板損傷に対し,従来は半月板切除術が広く行われていたが,切除により半月板機能が失われた膝では高率にOA変化をきたす5).そのため,損傷半月板に対しては機能温存のための半月板修復術が求められ,近年は半月板手術における縫合術の割合は増加している.しかし半月板縫合術にも限界はあり,欠損を有する半月板損傷は縫合術によっても修復できない.われわれはこのような欠損を有する半月板損傷に対し,新規医療機器として欠損を補填し修復するコラーゲン由来の半月板補填材を開発し,新規治療技術となる半月板修復治療を研究している.Ⅱ 既存の人工材料過去に海外での使用実績がある人工材料として,*1 大阪大学大学院医学系研究科健康スポーツ科学講座スポーツ医学教室*2 大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学(整形外科)*3 大阪大学大学院医学系研究科健康スポーツ科学講座スポーツ医学教室教授アテロコラーゲン半月板補填材を用いた半月板修復療法の生体材料由来新規医療機器開発佐藤世羅*1・廣瀬毅人*2・大堀智毅*2・下村和範*2・金本隆司*1・前 達雄*2・中田 研*3半月板損傷に対する外科治療は,従来の半月板切除術から近年では半月板縫合術による半月板機能温存治療が行われるようになった.しかし,欠損のある半月板損傷では縫合術は不可能である.このような欠損のある半月板損傷に対し,新規のコラーゲン由来の半月板補填材(atelocollagenmeniscus substitute:ACMS)を用いた修復術の臨床研究を,先進医療Bにて行ってきた.ACMSは半月板と同程度の生体力学的圧縮強度をもち,欠損部に補填することにより半月板の生体力学的機能を代償することが可能であり,かつ,連通ポア構造によって修復細胞の足場として働き,修復組織の産生に寄与する.本稿では,ACMSを用いた新規の生体材料由来医療機器開発についての動物実験での結果と,現在,先進医療Bにて実施中の臨床研究について概説する.先進医療の現況と展望─ 先進医療制度の今後の展望