ブックタイトルカレントテラピー 37-2 サンプル

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概要

カレントテラピー 37-2 サンプル

Current Therapy 2019 Vol.37 No.2 57169示す.ゲノム医療中核拠点病院は,適切な患者に適切に検査を提供できること,得られた結果をエキスパートパネルで適切に解釈し,レポート作成ができること,そして,得られた結果に対して適切な医療が提供できることが主な要件とされている.一方,連携病院はゲノム医療中核拠点病院にエキスパートパネルとレポート作成については依頼しながら,適切なゲノム医療を提供することが求められている.ゲノム医療中核拠点病院,連携病院それぞれでのゲノム医療提供の流れを図2に示す.ゲノム医療中核拠点病院では,自施設の患者にゲノム医療を提供するだけでなく,連携病院の患者についても後述するエキスパートパネルを実施して,レポート作成を行い連携病院に返却する.また,得られた遺伝子異常に合致する臨床試験や治験等の情報提供も,必要に応じて連携病院へ提供することが求められている.ゲノム医療中核拠点病院は,2018年4月~2020年3月までを指定期間として全国11施設が指定された.また,連携病院は2018年4月に100施設,2018年10月に35施設追加され計135施設が指定されている.各連携病院は1または複数の中核拠点病院との連携体制をとっている(図3).ゲノム医療中核拠点病院の指定には地域性も考慮されており,全国どこにいてもがんゲノム医療が受けられるようになることが目的とされている.2 エキスパートパネルについて多遺伝子パネル検査は,得られた検査結果に正しい意義づけを行うことが重要である.そこで,エキスパートパネルという専門家による会議体を組織し検査結果の検討が行われる.主な構成員は,担当医を含めたがん薬物療法の専門的知識を有する臨床医,病理医,ゲノム研究者,バイオインフォマティクス専門家,臨床遺伝学の知識を有する医師・カウンセラーである.当院ではこのような各領域の専門家が集まり,以下の内容の検討を週1回の頻度で行っている.・検体およびデータの品質・検出された遺伝子異常の生物学的意義づけ・遺伝子異常に対応する具体的な候補薬とエビデンスレベル・候補薬の適応状況や治験情報を踏まえたavailabilityランク・二次的所見の有無とその意義づけ議論された内容は,担当医へ返却する解析レポートに「エキスパートパネルからの意見」として記載される.また,遺伝子異常に合致する候補薬剤や臨床試験が存在する場合は,登録状況が逐次変化する結果の説明治療選択検査説明同意取得患者説明検体準備患者説明治療必須必須必須(外注可)必須必須中核拠点連携必須必須必須シークエンス実施・中核拠点に依頼(外注可)・中核拠点の会議等に参加エキスパートパネルおよびレポート作成解析試料の採取・選択シークエンスエキスパートパネルによる意義づけ図1ゲノム医療の流れと求められる要件〔第2回がんゲノム医療中核拠点病院(仮称)等の指定要件に関するサブワーキンググループ(H29.9.11)資料4(https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000203236.pdf)より引用一部改編〕