ブックタイトルカレントテラピー 37-2 サンプル

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概要

カレントテラピー 37-2 サンプル

Current Therapy 2019 Vol.37 No.2 59現在進行中の先進医療171for Gene -profiling to Estimate both Adverseevents and Response(TOP -GEAR)プロジェクトを実施してきた.図4に示す通り,プロジェクトは段階的に実装化に向けて変遷している.第1期では研究所でシークエンスを行いながらNCCオンコパネル検査システムの実行可能性の検証を,第2期では病院内に次世代シークエンサー検査室を開設して品質保証に重点を置き,より実臨床に則した運用下での臨床的有用性を検証した.この第2期では,対象を1歳以上の固形がんと診断され,かつ主治医が多遺伝子パネル検査が診療方針決定の補助に有益と判断した症例であった.2016年5月~2018年3月までの第2期では623例の解析を行い,509例にレポート返却を行った.前半(2017年5月まで)に登録された248例では,187例で解析が成功し,156例(83%)で1つ以上の遺伝子異常が検出された.また,actionable遺伝子異常を,日本臨床腫瘍学会・日本癌治療学会・日本癌学会合同『次世代シークエンサー等を用いた遺伝子パネル検査に基づくがん診療ガイダンス(第1.0版)』(3学会合同ガイダンス)2)の治療薬に対するエビデンスレベル3A以上とすると,109例(58%)でactionable遺伝子異常が検出された.そのうち,25例(13%)では遺伝子異常に合致する分子標的薬が投与された.治験薬だけでなく,承認薬の適応外使用なども含まれており,幅広い臨床的有用性が示された.また,登録症例の約半数は肉腫を中心とした希少がんであり,標準治療のない,もしくは乏しいがん種の治療方針決定の補助に多遺伝子パネル検査の結果を反映させたいという臨床現場のニーズがあることが示唆された.これらの結果を踏まえて,2018年4月からNCCオンコパネル検査システムを用いた先進医療B「個別化医療に向けたマルチプレックス遺伝子パネル検査研究」を開始した.3 試験概要対象は,16歳以上,performance status 0か1で,表1 NCCオンコパネル遺伝子リストMutation・Amplification(114) Fusion(12)ABL1 CRKL IDH2 NF1 RAC2 ALKACTN4 CREBBP IGF1R NFE2L2/Nrf2 RAD51C AKT2AKT1 CTNNB1/b-catenin IGF2 NOTCH1 RAF1/CRAF BRAFAKT2 CUL3 IL7R NOTCH2 RB1 ERBB4AKT3 DDR2 JAK1 NOTCH3 RET FGFR2ALK EGFR JAK2 NRAS RHOA FGFR3APC ENO1 JAK3 NRG1 ROS1 NRG1ARAF EP300 KDM6A/UTX NTRK1 SETBP1 NTRK1ARID1A ERBB2/HER2 KEAP1 NTRK2 SETD2 NTRK2ARID2 ERBB3 KIT NTRK3 SMAD4 PDGFRAATM ERBB4 KRAS NT5C2 SMARCA4/BRG1 RETAXIN1 ESR1/ER MAP2K1/MEK1 PALB2 SMARCB1 ROS1AXL EZH2 MAP2K2/MEK2 PBRM1 SMOBAP1 FBXW7 MAP2K4 PDGFRA STAT3BARD1 FGFR1 MAP3K1 PDGFRB STK11/LKB1BCL2L11/BIM FGFR2 MAP3K4 PIK3CA TP53BRAF FGFR3 MDM2 PIK3R1 TSC1BRCA1 FGFR4 MDM4 PIK3R2 VHLBRCA2 FLT3 MET POLD1CCND1 GNA11 MLH1 POLECD274/PD-L1 GNAQ MTOR PRKCICDK4 GNAS MSH2 PTCH1CDKN2A HRAS MYC PTENCHEK2 IDH1 MYCN RAC1