ブックタイトルカレントテラピー 37-2 サンプル

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カレントテラピー 37-2 サンプル

Current Therapy 2019 Vol.37 No.2 7119先進医療の現況と展望― 先進医療制度の今後の展望―企画国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院副院長藤原康弘本号では,未承認や適応外の医薬品や医療機器,再生医療等製品を評価療養の枠組みのなかで,言い換えれば,療養担当規則では禁止されている研究的診療を保険診療と両立させて(合法的な混合診療とも言える)使用できる優れた制度である先進医療制度について,各診療領域で当該制度を活用されている第一線の臨床研究者の方たちに実例を紹介して頂くとともに,制度そのものと関連する制度である患者申出療養や拡大治験(人道的見地から実施する治験;日本版コンパッショネートユース)について,当該領域に造詣の深い先生方に解説頂いた.さらに座談会では,先進医療制度を最も活用できると思われる医療機器開発と再生医療等製品開発の領域で,臨床研究をリードされている国立循環器病研究センターの山本晴子先生,大阪大学医学部の岡田潔先生のお二人から,貴重なお話を伺うこともできた.読者の皆様に有用な内容になっていると思う.ふり返れば,現在の先進医療制度の原型は,昭和59年(1984年)に導入された高度先進医療制度にある.その後,平成16年(2004年)12月のいわゆる「混合診療」問題に係る基本的合意(当時の尾辻秀久厚生労働大臣と村上誠一郎規制改革担当大臣との間で合意がなされ,両大臣および細田博之官房長官より小泉純一郎総理大臣に報告,了承されたもの)に基づく平成17年(2005年)7月導入の先進医療制度(当時)と平成18年(2006年)10月に統合された.さらに,平成20年(2008年)4月には,「薬事法(当時)上未承認・適応外の医薬品及び医療機器を含まない4 4 4 4 技術」を対象とする先進医療(第2項先進医療)と「薬事法(当時)上未承認・適応外の医薬品及び医療機器を含む4 4 技術」を対象とする高度医療(第3項先進医療)とに区分けされ,最終的に,平成24年(2012年)10月から,現在の先進医療Aと先進医療Bへと進化したことを,読者の皆さんには知っておいて頂きたい.先進医療AやBの制度下で検討された技術は,最終的には薬事承認,保険適用になることが望ましいと考えられており,直近では,平成30年(2018年)度の診療報酬改定時に保険適用となった,ロボット手術のda vinci手術や粒子線(重粒子線と陽子線)治療において,当該制度が活用されたことは,皆さんの記憶に新しいところかと思う.本号では,それらの流れも実際に当該技術の臨床研究をリードされていた先生方から直接ご解説頂けたのはありがたかった.2018年4月,臨床研究法が施行となり,今,現場の先生方は,今年4月の同法の本格運用開始に向けての移行期間で汲々とされていると思うが,本号の制度解説を参考に,特定臨床研究,先進医療,治験をいかに使い分けていくかについてもブレイン・ストーミングして頂ければ幸いである.エディトリアル